このページはパスワードで保護されています

ここから先は会員様向けのページになりますので、
会員の皆様は、一般社団法人沖縄やんばるDMO <admin@yambaru-dmo.org>
から送付されているパスワードをご確認ください

会員募集はこちらから

YAMBARU ACCOMMODATION MARKET — BIWEEKLY REPORT

Yam-D-AI分析レポートβ版(宿泊OTAデータ)
やんばる全体版2026年9月前半号 宿泊OTAデータ(2026年9月1日時点)

OTA(オンライン旅行代理店)宿泊データに基づき、2026年8月の確定実績の答え合わせ、これからの15日間(9/1〜15)の先読み、その先(9/16〜11/30)の見通し、沖縄県内4エリアでの位置づけ、宿泊タイプ・エリア別ベンチマーク、口コミの動向をまとめました。

今号対象月(第3章)
2026年8月1日〜31日(全日確定)
先読み期間(第4章)
2026年9月1日〜15日(予定データ)
見通し期間(第5章)
2026年9月16日〜11月30日(予定データ・約2か月半)
集計対象
やんばる北部4エリア 約578軒(沖縄県内比較のみ県全体)
データソース
OTA宿泊データ(出典: メトロエンジン株式会社)
発行
沖縄やんばるDMO

01 EXECUTIVE SUMMARY

8月は前年比▼10.1ptで着地、9月前半は60%前後の滑走 — 連休直前の谷(9/13〜15)に先手を

2026年8月 客室稼働率(確定)

67.13%

前年同月比 ▼10.11pt(2025年8月 77.24%)

2026年8月 平均単価ADR(確定)

94,714円

前年同月比 ▲64.2%(2025年8月 57,673円)

これからの15日間 稼働率見込み(9/1〜15)

60.37%

8月確定比 ▼6.76pt(予定データ・上振れ余地あり)

これからの15日間 ADR見込み(9/1〜15)

74,944円

8月確定比 ▼20.9%(夏単価からの正常化)

最も弱い日(先読み期間中)

9/15(火)

予定稼働率53.66%・火曜平均比 ▼15.12pt

沖縄県内順位(8月確定・ADR)

1位 / 4

稼働率は4エリア中最下位(67.13%)

このレポートの使い方

皆さまは自館の稼働も単価もすでにお持ちです。このレポートが提供するのは 「周りがどうだったか」だけです。両方を突き合わせると、打つべき手が変わります。

地域自館読み取り打ち手
好調不調自館固有の問題価格・写真・プラン・口コミを見直す
不調不調市況。値下げしても取れない販促費を抑え、コストを守る
不調好調勝っている強みを維持し、値上げ余地を探る
好調好調市況に乗れている単価を上げにいく

2026年8月の客室稼働率は67.13%で確定し、前年8月(77.24%)を▼10.11pt下回りました。一方ADRは94,714円と前年比▲64.2%の高水準で、「単価は上がり、客数は減る」という今年の基調が夏のピーク月でも変わっていません。これからの15日間(9/1〜15)はOTA掲載ベースで平均60.37%の見込みです。ただし8月中旬時点の予定データでは8月後半(8/17〜31)が62.94%の見込みだったのに対し、実績は67.21%と+4.27pt上振れして着地しており、9月前半もこの見込みから上積みされる余地があります。注意すべきは形で、シルバーウィーク(9/19〜23)直前の9/13〜15が53〜58%と期間中最も弱い谷になっています。

今号の重要な発見 2〜3点

DATA予定値は「稼働は上振れ・単価はほぼ確定」。8月中旬時点の予定データでは8/17〜31が稼働率62.94%・ADR88,279円の見込みでしたが、実績は稼働率67.21%(+4.27pt)・ADR87,542円(▼0.8%)でした。稼働は直前予約で上振れする一方、単価は先読み時点でほぼ固まっていることがわかります。
INSIGHT8月に実際に起きた「連休(お盆)前の谷」と同じ形が、9月の予定データにも出現。9/13(日)〜15(火)は53.66〜58.44%と先読み期間の底で、最終日9/15は火曜平均比▼15.12ptです。上振れ余地を踏まえても相対的に弱い3日間であることは変わらず、直前割・連泊プランの投入期限は9/10ごろと考えられます。
DATA規模帯の序列が逆転 — 8月は51室以上の大型が最下位に。7月に最下位だった21〜50室クラスは66.88%へ持ち直した一方、51室以上は63.86%と3規模帯で最も低くなりました。リゾートホテル(65.78%・ADR131,516円)の「強気価格×客数減」が大型帯の失速として表れています(第7章)。

この号の読み方

本号は宿泊動向版の最初の配信号です。今後は月2回(月初・月中旬)発行します。第3章で前月(8月)の確定実績を答え合わせし、第4章でこれからの15日間(9/1〜15)を予定データで先読み、第5章でその先(9/16〜11/30)を見通します。デフォルト表示のまま読み進めれば5分程度で要点を把握できます。
第 2 章

直近1年の推移

問い:この1年、やんばるの宿泊市場に何が起きているか。

この12か月は「量から単価へ」の構造転換が一貫して続いています。客室稼働率は2025年8〜10月の76〜78%を天井に切り下がり、直近の2026年8月は67.13%と前年同月を▼10.11pt下回りました。一方ADRは2025年11月の43,114円を底に上昇を続け、2026年8月は94,714円と1年前(57,673円)のおよそ1.6倍、底からは2.2倍です。単価上昇が客数減を補う構図が続いていますが、稼働の落ち幅は7月▼2.33pt→8月▼10.11ptと月を追って広がっています。

図 2-1月次推移|客室稼働率・平均単価(2025年8月〜2026年8月・確定値)

詳細データを見る(月次実績の内訳・ホテル数)
表 2-1|月次の客室稼働率・ADR・ホテル数
月稼働率ADRホテル数
2025年8月77.24%¥57,673584
2025年9月77.58%¥47,066572
2025年10月75.89%¥44,900555
2025年11月69.66%¥43,114554
2025年12月66.23%¥50,700560
2026年1月58.25%¥61,690558
2026年2月72.97%¥61,219548
2026年3月66.41%¥63,705555
2026年4月73.01%¥70,266559
2026年5月66.32%¥82,219550
2026年6月63.73%¥80,268553
2026年7月70.34%¥88,726568
2026年8月67.13%¥94,714578

POINT — この1年で起きていること

稼働率の前年割れとADRの急伸が同時進行しています。7月▼2.33pt→8月▼10.11ptと稼働の落ち幅が広がっており、値上げの総収益効果が続いているかどうか、自館でも「稼働×単価」(RevPAR)での前年比較をお勧めします。
飲食・小売・アクティビティの方へ 稼働率の前年割れは「やんばる地域内に泊まっている人の数が前年より少ない」ことを意味します。一方で客単価は大きく上がっており、来訪者1人あたりの財布は厚くなっている可能性が高い状況です。客数頼みの回転型よりも、単価の高い客層に向けた体験・メニューの拡充が市況に合っています。
第 3 章

8月の実績 — 答え合わせ

問い:8月(8/1〜31・全日確定)の実績を確認する章です。自館の実績と重ねてご確認ください。

8月の客室稼働率は67.13%(前年8月比▼10.11pt)、ADRは94,714円(同▲64.2%)で確定しました。日別に見ると、8/1〜4は70%台で立ち上がった後、お盆直前の8/5〜9が51〜59%の深い谷となり、山の日(8/11)からのお盆週が72〜81%のピーク(最高は8/13の80.98%)。お盆明けの8/17〜23も70%台前半で粘り、月末最終週(8/24〜28)に57〜66%へ緩んで月を締めました。8月中旬時点の予定データでは8/17〜31が62.94%の見込みだったのに対し、実績は67.21%と+4.27pt上振れしており、「予定値は確定が進むと上振れする」傾向を確認できた月でした。

図 3-1日別カレンダー|客室稼働率(8/1〜31・全日確定)

月火水木金土日
8/174.18/272.0
8/373.68/470.18/558.78/653.88/754.38/854.58/951.9
8/1060.18/11山の日71.98/1278.08/1381.08/1477.38/1574.68/1669.8
8/1773.48/1872.78/1972.28/2072.48/2172.68/2274.18/2369.8
8/2466.08/2560.88/2660.88/2757.58/2861.58/2969.68/3063.8
8/3162.1
低 高 朱枠=特に低かった日(56%未満)

数値は客室稼働率(%)。8月は全日確定値です。色は8/1〜9/15の全期間の中での相対的な高低(図4-1と共通の基準)です。自館の予約表・実績と重ねて、繁閑の波が一致しているか確認する用途を想定しています。

詳細データを見る(8月サマリー・曜日別の傾向)
表 3-1|8月(8/1〜31)のサマリー
指標今号(8月・確定)前年同月(確定)増減
客室稼働率67.13%77.24%▼10.11pt
平均単価(ADR)¥94,714¥57,673▲64.2%
集計ホテル数578軒584軒▼6軒

曜日別の傾向(直近確定30日:8/2〜8/31)

稼働率は火曜68.78%が最も高く、日曜65.45%が最も低いものの、その差は3pt強しかなく、曜日による波はきわめて平坦です。ADRは土曜99,462円が最も高く、日曜90,412円が最も低くなっています。お盆をまたぐこの30日間の埋まり方は「どの曜日か」より「お盆までの距離」で決まっており、曜日はほとんど効いていません。9月前半(第4章)の弱い日の判定には、この曜日別平均を比較の物差しとして使っています。

POINT

8月は「単価▲64.2%・稼働▼10.11pt」で確定し、値上げと客数減のトレードオフがピーク月でも続きました。一方で、8月中旬時点の見込みからは+4.27pt上振れして着地しており、直前予約の積み上がりは健在です。先読み値を見る際は「そこから数pt上振れる」前提で読むのが実践的です。
飲食・小売・アクティビティの方へ 8月のやんばる地域内の滞在客数は7月より少なめ(稼働率▼3.21pt)で、お盆週(8/11〜15)と8/17〜23に集中しました。9月は客足がさらに細る見込みのため、平日は地元客・リピーター向けの構えに切り替え、シルバーウィーク(9/19〜23)に仕込みと人員を寄せる時期です。
第 4 章

これからの15日間 — 先読み

問い:直近の確定実績の続き、これから2週間強はどう動くか。

9/1〜15の予定稼働率は平均60.37%・ADR74,944円の見込みです。8月確定(67.13%・94,714円)からは稼働▼6.76pt・単価▼20.9%と、夏休み明けの需要縮小と単価の正常化が同時に進みます。日別では9/5(土)の65.31%が唯一の山で、それ以外は60%前後の平坦な形です。最も弱いのはシルバーウィーク(9/19〜23)直前の9/13(日)〜15(火)で、53.66〜58.44%と期間の底になっています。なお第3章の検証のとおり実績は先読みから数pt上振れする傾向がありますが、期間内の相対的な強弱の形は変わりにくい点に留意してください。

図 4-1日別の予定稼働率(9/1〜15)

月火水木金土日
9/162.79/260.89/360.89/462.99/565.39/660.1
9/760.49/858.99/958.49/1060.79/1161.39/1263.59/1358.4
9/1457.89/1553.7
低 高 斜線=予定値(全日) 朱枠=手を打つべき日

色の基準は図3-1と共通です。9/1〜15に祝日はなく、シルバーウィーク(9/19〜23)は第5章の期間に含まれます。

手を打つべき3日間

各日の予定稼働率を、直近の確定30日(8/2〜31)における同じ曜日の実績平均と比べて、落ち込みが大きい順に並べました(曜日の影響を除いた比較)。予定値と実績平均の比較のため差は大きめに出ますが、期間内の相対的な弱さの順位として読んでください。

9/15(火)

53.66% / 火曜平均 68.78%

▼15.12pt。先読み期間の最終日で最低値。シルバーウィーク(9/19〜)直前の谷の底にあたり、期間中最大の下振れです。

9/8(火)

58.88% / 火曜平均 68.78%

▼9.90pt。週半ばの谷の入り口。前週末からの落差が大きい日です。

9/14(月)

57.78% / 月曜平均 67.02%

▼9.24pt。連休直前の週明け月曜。9/13〜15と3日続く谷の中日です。

POINT — 連休直前の3日間(9/13〜15)が期間の底

シルバーウィーク直前の9/13〜15が期間中最も弱い見込みです。8月にお盆直前(8/5〜9)で実際に起きた「連休前の谷」と同じ形です。連休に需要を吸われる位置の日は直前予約でも埋まりにくいため、9/10ごろまでに直前割・連泊プラン(9/15泊からの連休接続プランなど)を投入することをお勧めします。8月実績で確認された上振れ(+4.27pt)を待つだけでは、この3日間の相対的な弱さは解消しません。
詳細データを見る(週別の予約状況・平日と週末の収益力比較)
表 4-1|週別の予約状況(予定・日別値の単純平均)
週平均稼働率平均ADR
9/1〜761.86%¥76,555
9/8〜1559.08%¥73,534
表 4-2|平日・週末の収益力比較(9/1〜15・予定・日別値の単純平均)
稼働率ADR
平日(11日間)59.85%¥73,683
週末(4日間)61.83%¥78,411

平日と週末の差は稼働・単価とも小さく、9月前半は「どの曜日か」より「連休までの距離」で強弱が決まる形です。

飲食・小売・アクティビティの方へ 9月前半のやんばる地域内の滞在客数は8月より1割ほど細る見込みで、特に9/13〜15は宿泊客が薄くなりそうです。一方、9/19からの5連休(シルバーウィーク)は8月のお盆週に近い水準(第5章)が見込まれるため、仕入れ・シフトは連休に照準を合わせ、直前の3日間は控えめの構えが合理的です。
第 5 章

3か月先の見通し

問い:この先、市場はどう動くか。

9/16以降の見通しを予定データ(OTA掲載ベース)で確認します。9月後半(9/16〜30)は61.80%と9月前半の見込み(60.37%)より高く、シルバーウィーク5連休(9/19〜23)が71.62%・ADR85,257円と、8月のお盆週に迫る水準で牽引します。その後は10月前半59.02%→10月後半52.55%→11月前半45.12%→11月後半35.34%と、半月ごとに階段状に水準が切り下がります。ADRも9月後半の76,555円から11月後半には57,105円まで下がる見込みです。

図 5-1半月単位の見通し|客室稼働率・ADR(9/16〜11/30・予定データ)

すべてOTA掲載ベースの予定値です。予定データは12/1まで存在しますが、精度を考慮し11月末までを見通し期間としています。

CAUTION — この数字の読み方

本章の数値はOTA掲載ベースの見込みであり、確定した予約実績ではありません。8月中旬時点の予定値と8月実績の比較では実績が見込みを+4.27pt上回っており、先になるほど直前予約が積み上がる前の水準である可能性が高く、実績はこれより上振れしえます。参考までに前年実績は9月77.58%・10月75.89%・11月69.66%(第2章 表2-1)で、見込みとの単純比較で「秋が暴落する」と読むのは早計です。注視すべきは水準よりも「どの日・どの週が相対的に弱いか」の形のほうです。
第 6 章

沖縄県内での位置づけ

問い:やんばる(北部)は、沖縄県全体の中でどんな立ち位置にあるか。

直近の確定月である2026年8月で沖縄県内4エリアを比べると、稼働率は南部74.84%>離島69.33%>中部69.14%>北部(やんばる)67.13%で、北部は4エリア中最下位が続いています。一方ADRは北部94,714円が県内トップで、2位の離島(68,194円)に26,520円の差をつけています。8月は県内全エリアで稼働率が7月より下がっており、「県内で最も高く売り、最も埋まっていない」という北部の構造は夏のピーク月でも変わりませんでした。

図 6-1沖縄県4エリア比較|客室稼働率・ADR(2026年8月確定)

詳細データを見る(4エリアの内訳・施設規模)
表 6-1|沖縄県4エリアの比較(稼働率の高い順・2026年8月確定)
エリア稼働率ADRホテル数平均部屋数/軒
南部74.84%¥30,63930578.4室
離島69.33%¥68,19457223.3室
中部69.14%¥59,44920837.4室
北部(やんばる)67.13%¥94,71457822.4室

北部は1軒あたり平均22.4室と小規模施設中心の構成で、大型ホテル中心の南部(平均78.4室)とは市場の性質が大きく異なります。

POINT — 稼働率は県内最下位、ADRは県内トップの構造が継続

少室数×高単価という北部の構造は、埋まれば収益性が高い反面、需要が薄い時期の空室リスクも大きくなります。秋にかけて需要が細る局面(第5章)では、このエリア特性への備えがいっそう重要になります。
飲食・小売・アクティビティの方へ 北部は「高単価の客層が来ているが、施設が埋まり切ってはいない」市場です。客単価の高い来訪者向けの体験・飲食の受け皿には引き続き商機がある一方、来客のボリュームそのものは県内他エリアより伸びしろが残っています。
第 7 章

宿泊タイプ別・エリア別ベンチマーク

問い:比べる相手を「同じ土俵」に揃えると、何が見えるか。

2026年8月確定データで比べると、タイプ別の稼働率は貸別荘(274軒)が80.15%・ADR110,362円と「高単価×高稼働」で頭ひとつ抜けた一方、リゾートホテル(97軒)は65.78%とタイプ別で中位に沈みました(ADRは131,516円と強気の水準を維持)。客室規模別では51室以上の大型が63.86%と3規模帯で最下位に転落し、7月に最下位だった21〜50室(66.88%)と入れ替わりました。北部4エリア別ではうふやんばる71.62%が門口やんばる71.16%をわずかに上回って首位となり、島やんばるは41.63%と大きく取り残されています。

図 7-1宿泊タイプ別 客室稼働率(5施設以上のタイプのみ・2026年8月)

図 7-2客室規模別 客室稼働率(2026年8月)

詳細データを見る(タイプ別ADR一覧・北部4エリア別内訳)
表 7-1|宿泊タイプ別の客室稼働率・ADR(5施設以上のタイプのみ・2026年8月)
カテゴリー軒数稼働率ADR
貸別荘27480.15%¥110,362
ホステル4576.90%¥46,759
コテージ6373.73%¥85,043
ペンション3169.59%¥47,062
リゾートホテル9765.78%¥131,516
民宿863.16%¥21,932
ビジネスホテル1558.60%¥19,828
ゲストハウス2655.21%¥32,733
オーベルジュ547.79%¥82,614
表 7-2|客室規模別(2026年8月)
規模帯軒数稼働率ADR
1〜20室49074.95%¥97,969
21〜50室4066.88%¥57,109
51室以上4863.86%¥94,262
表 7-3|やんばる4エリア別(2026年8月)
エリア稼働率ADR軒数
うふやんばる71.62%¥60,45031
門口やんばる71.16%¥142,493160
なかやんばる64.15%¥78,315378
島やんばる41.63%¥33,7619

POINT — 大型・リゾート帯の失速と、貸別荘の独走

8月は51室以上の大型帯が規模帯最下位に転落し、リゾートホテルもタイプ別中位に沈みました。ADRを大きく上げた帯ほど客数の減りが目立つ形で、「値上げの巡航速度」の点検が最も必要なのはこの帯です。一方、貸別荘は274軒に増えながら8割稼働を維持しており、北部市場の主役の交代が数字にも表れています。
第 8 章

口コミの動向 — 市町村ごとの特徴

問い:宿泊客は、やんばるの何を語っているか。

直近3か月(5/29〜8/28)の口コミをOTAサイト別に見ると、Booking.com(4.57点)が最も高く、じゃらん(4.32点)が最も低くなっています。市町村別(口コミ100件以上)では恩納村4.49点がトップで、今帰仁村4.42点・本部町4.41点・名護市4.39点とほぼ横並びです。今号は夏の体験軸として「海」「プール」「子供」の言及率を集計しました。「海」は本部町27.8%、「プール」は恩納村31.1%が突出しており、同じリゾート需要でも市町村ごとに語られる体験がはっきり分かれています。

図 8-1OTAサイト別 平均口コミスコア(5/29〜8/28)

縦軸は4.0点起点(5点満点)です。

図 8-2市町村別 キーワード言及率(口コミ100件以上・5/29〜8/28)

詳細データを見る(市町村別平均スコア・キーワード内訳)
表 8-1|市区町村別 平均口コミスコア(100件以上・5/29〜8/28)
市区町村平均スコア件数
恩納村4.491,246
今帰仁村4.42228
本部町4.41540
名護市4.39699
表 8-2|市町村別 キーワード言及率(5/29〜8/28)
市区町村海プール子供
恩納村17.79%31.07%13.04%
今帰仁村22.81%13.60%9.65%
本部町27.78%14.63%12.04%
名護市15.99%13.04%8.13%

キーワードは号ごとにテーマを替えて集計する予定です。今号は夏の体験軸(海・プール・子供)を採用しました。

市町村ごとのトピック

恩納村

「プール」言及31.1%と圧倒的 — 施設内リゾート型
プール31.1%・子供13.0%はいずれも4市町村中最高です。一方で海17.8%は本部町・今帰仁村を下回り、ホテルの中で過ごすファミリーリゾートとしての評価軸が確立しています。

本部町

「海」言及27.8%で最高 — 海景・ビーチの町
海27.8%は4市町村中最高で、恩納村の1.6倍です。子供12.0%も2位につけており、美ら海水族館・ビーチ周辺のファミリー需要が口コミの主題になっています。

今帰仁村

海は語られ、プール・子供は薄い — 大人の自然滞在型
海22.8%は本部町に次ぐ2位の一方、プール13.6%・子供9.7%は下位です。古宇利島周辺の海景を静かに楽しむ滞在が評価の中心とみられます。

名護市

3語すべてで最下位 — 体験より「拠点」の町
海16.0%・プール13.0%・子供8.1%はいずれも4市町村中最低です。リゾート体験が語られにくく、周遊の拠点としての利用が中心とみられる姿です。

CAUTION — 言及率の読み方

キーワード言及率は口コミ本文に対する単純なキーワード一致による集計であり、文脈(肯定・否定)までは判別していません。

POINT — 「海の本部・プールの恩納」— 語られる体験で棲み分け

同じ夏のリゾート需要でも、本部町は「海」、恩納村は「プール(施設内体験)」と、口コミで語られる体験がはっきり分かれています。自館の訴求(写真・プラン名)が、立地する市町村の語られ方と合っているかを確認する材料としてご活用ください。
第 9 章

アクション推奨事項

問い:次に何を実行するか。

課題1|シルバーウィーク直前の谷(9/13〜15)— 対処期限は9/10

根拠を見る
DATA9/13〜15の予定稼働率は53.66〜58.44%と先読み期間の底で、最終日9/15は火曜平均比▼15.12ptです(第4章 図4-1・弱い日カード)。
INSIGHT8月はお盆直前(8/5〜9)に同じ形の谷が実際に出ており、連休に需要を吸われる直前の日は直前予約でも埋まりにくいことが確認済みです。予定値の上振れ(8月実績の検証で+4.27pt)を待つだけでは、相対的な弱さは解消しません。
ACTION What:9/13〜15をターゲットにした直前割・連泊プラン(9/15泊から連休に接続するプランなど)の投入。
How:OTA上の価格・在庫・プランを見直し、連休前の平日に「連休より安く泊まれる」選択肢を見せます。
Who:各宿泊事業者。When:9月10日ごろまで。

課題2|大型帯(51室以上)が規模帯最下位に転落 — 強気価格の点検が最優先の帯

根拠を見る
DATA8月確定で51室以上(48軒)は稼働率63.86%と3規模帯の最下位に転落しました(7月最下位の21〜50室は66.88%へ改善)。リゾートホテル(97軒)も65.78%とタイプ別中位に沈む一方、ADRは131,516円と高水準です(第7章 表7-1・7-2)。
INSIGHT単価を大きく上げた帯ほど客数の減りが目立っており、市場全体の「稼働▼・単価▲」トレードオフが大型・リゾート帯に集中して表れています。貸別荘(80.15%・110,362円)が高単価のまま8割稼働を維持しているのと対照的です。
ACTION What:大型施設のRevPAR(稼働率×ADR)前年比較による、値上げの総収益効果の点検。
How:本レポートの市況値と自館値を突き合わせ、総収益が前年を下回っている場合は秋の価格・プラン構成(連泊割・早期割の再設計)を見直します。
Who:大型・リゾート帯の宿泊事業者。When:次号まで。

課題3|伊江村▼29.4pt・島やんばる41.6% — 離島部の悪化が加速

根拠を見る
DATA8月の稼働率前年同月比は伊江村69.61%→40.19%(▼29.42pt)と急落し、島やんばる全体でも41.63%と北部4エリアで突出して低い水準です(付表1・表7-3)。
INSIGHT伊江村は集計軒数が前年の7軒から8軒に増えており、供給増による稼働の希薄化が混ざっている可能性はありますが、8軒・9軒の小標本である点を踏まえても、離島部の需要減は他エリアより深い状況です。
ACTION What:伊江村・島やんばるの急落要因の確認(供給変化・航路便数・イベント有無・需要動向)。
How:域内事業者へのヒアリングと、9月以降の予定データでの継続監視をあわせて行います。
Who:観光協会・自治体。When:10月号まで。
宿泊事業者の方へ

今号から次号までに確認いただきたいこと

  • 9/10まで連休直前の谷(9/13〜15)への先手:直前割・連泊プランを投入し、連休前平日の取りこぼしを防ぐことを推奨します根拠:第4章 図4-1・弱い日カード
  • 連休前までシルバーウィーク(9/19〜23・見込み71.62%)の最終確認:在庫・料金・人員体制を点検し、数少ない繁忙期を単価高めで取り切ることを推奨します根拠:第5章 図5-1
観光協会・自治体の方へ

今号から次号までに確認いただきたいこと

  • 10月号まで離島部の急落要因の確認:伊江村▼29.4pt・島やんばる41.6%の背景(供給・航路・需要)の確認を推奨します根拠:付表1・第7章 表7-3
  • 次号まで大型・リゾート帯の動向注視:51室以上が規模帯最下位に転落した状況が9月も続くかを確認し、支援の要否を検討することを推奨します根拠:第7章 表7-1・7-2

NEXT

次号(2026年9月後半号)では、本号の先読み(9/1〜15・見込み60.37%)を実績で答え合わせし、9/13〜15の谷がどこまで埋まったかを確認します。あわせてシルバーウィーク(9/19〜23・見込み71.62%)の直前予約の積み上がりも先読みします。
第 10 章

詳細ダッシュボード

問い:本レポートの数字の先を、自分の条件で掘るには。

本レポートの集計元であるOTA宿泊データは、以下のダッシュボードでいつでも詳しくご覧いただけます。期間や条件を切り替えて、自館・自地域の視点での深掘りにご活用ください。

① 宿泊OTA詳細情報

稼働率・ADRなど、本編で扱った主要指標の詳細を確認できます。
ダッシュボードを開く →

② 沖縄県全体との比較

沖縄県全体と北部(やんばる)の比較を確認できます(第6章の深掘りに)。
ダッシュボードを開く →

③ 客室数と施設数

施設数・客室数の内訳を確認できます(第7章の規模別分析の深掘りに)。
ダッシュボードを開く →

—

参考:算出定義とデータ品質

詳細を見る(算出式・付表1・データ範囲)

算出式

客室稼働率の定義
(OTA掲載数-OTA在庫数)÷OTA掲載数。掲載されている客室のうち販売済みとなった割合です。
平均単価(ADR)の定義
AVG(平均単価)。ホテル×日付の平均単価を単純平均したものです。
キーワード言及率の定義
口コミ本文(日本語訳)に該当キーワードが含まれる口コミの割合です。文脈(肯定・否定)は問わない単純一致です。
先読み(予定値)の読み方
第4章・第5章の予定値はデータ基準日時点のOTA予約状況にもとづく見込みで、確定が進むと上振れする傾向があります(8月中旬時点の予定値は8月実績で+4.27pt上振れ)。水準よりも期間内の相対的な強弱の形に注目してください。
楽天OTAに関する注記
楽天OTAの仕様変更により、残室数が10室以上の場合は実数値が取得できない可能性があります(公式注記)。

付表1|市町村別の客室稼働率(前年同月比・2026年8月 vs 2025年8月)

付表1|市区町村別 客室稼働率・前年同月比(8月)
市区町村前年同月今年増減軒数
大宜味村73.24%76.05%▲2.81pt10
金武町67.34%69.26%▲1.92pt13
今帰仁村77.63%74.14%▼3.49pt118
伊平屋村86.21%81.48%▼4.73pt1
恩納村79.72%71.39%▼8.33pt137
東村64.54%56.11%▼8.43pt11
国頭村83.83%75.11%▼8.72pt10
本部町77.23%68.02%▼9.21pt154
宜野座村76.08%66.67%▼9.41pt10
名護市75.19%59.59%▼15.60pt106
伊江村69.61%40.19%▼29.42pt8

伊平屋村(1軒)・伊江村(8軒)など軒数の少ない市町村の増減は参考値として扱います(サンプル極小)。

REFERENCE

データソース:OTA宿泊データ。
集計方法:日別・ホテル別データを直接集計。北部4エリアで絞り込み(第6章のみ沖縄県4エリア全体)。
データ範囲:実績データ 2018年1月1日〜2026年8月31日、予定データ 2026年9月1日〜12月1日(2026年9月月初取得時点)。口コミ(REVIEW)データは2026年8月28日まで確認済み。
出典:メトロエンジン株式会社。