YAMBARU ACCOMMODATION MARKET — BIWEEKLY REPORT

Yam-D-AI分析レポートβ版(宿泊OTAデータ)
やんばる全体版2026年10月前半号 宿泊OTAデータ(2026年10月1日時点)

OTA(オンライン旅行代理店)宿泊データに基づき、9月の確定実績による答え合わせ、これからの15日間(10/1〜15)の先読み、その先(10/16〜12/31)の見通し、沖縄県内4エリアでの位置づけ、宿泊タイプ・エリア別ベンチマーク、口コミの動向をまとめました。今号では前号(9月後半号)の先読みと、シルバーウィークの着地もあわせて確認しています。

今号対象月(第3章)
2026年9月1日〜30日(全日確定)
先読み期間(第4章)
2026年10月1日〜15日(予定データ・15日間)
見通し期間(第5章)
2026年10月16日〜12月31日(予定データ・半月単位)
集計対象
やんばる北部4エリア 約578軒(沖縄県内比較のみ県全体)
データソース
OTA宿泊データ(出典: メトロエンジン株式会社)
発行
沖縄やんばるDMO

01 EXECUTIVE SUMMARY

9月は68.93%で確定、見込みを上回って着地 — 10月前半も70%台の見込み、谷は3連休明けの10/12〜13

2026年9月 客室稼働率(確定)

68.93%

前年同月比 ▼8.65pt(2025年9月 77.58%)・8月比 ▲1.79pt

2026年9月 平均単価ADR(確定)

74,552円

前年同月比 ▲58.4%(2025年9月 47,066円)

前号先読みの答え合わせ(9/15〜30)

+4.15pt上振れ

見込み67.26%→実績71.41%(3号連続の上振れ着地)

これからの15日間 稼働率見込み(10/1〜15)

70.67%

9月実績比 ▲1.74pt・前号時点の見込みから+5.25pt

相対的に最も弱い日(先読み期間中)

10/12(月)

予定稼働率65.00%・月曜平均比 ▼1.30pt(スポーツの日・3連休の最終日)

沖縄県内順位(2026年9月)

4位/ADR 1位

稼働率は3位の中部との差が1.19ptに縮小(8月 2.04pt)

このレポートの使い方

皆さまは自館の稼働も単価もすでにお持ちです。このレポートが提供するのは 「周りがどうだったか」だけです。両方を突き合わせると、打つべき手が変わります。

地域自館読み取り打ち手
好調不調自館固有の問題価格・写真・プラン・口コミを見直す
不調不調市況。値下げしても取れない販促費を抑え、コストを守る
不調好調勝っている強みを維持し、値上げ余地を探る
好調好調市況に乗れている単価を上げにいく

2026年9月の客室稼働率は68.93%で確定しました(前年9月比▼8.65pt・8月比▲1.79pt)。ADRは74,552円で前年比▲58.4%です。前号が示した9月全体の見込み(66.74%)を+2.19pt上回り、特に後半(9/15〜30)は見込み67.26%に対して実績71.41%と+4.15ptの上振れでした。シルバーウィーク(9/19〜23)は81.91%で着地し、9/21(月・敬老の日)は90.74%と今年の9月で最も高い日になりました。これからの15日間(10/1〜15)は平均70.67%の見込みで、9月の実績をさらに上回る水準です。相対的な谷は、10/10〜12の3連休が明ける10/12〜13(65%前後)にあります。

今号の重要な発見 2〜3点

DATA先読みの上振れは3号連続 — ただし「連休直前」の日は上積みが小さめでした。9/15〜30は全体で+4.15ptの上振れでしたが、日別に見ると連休明けの9/22〜26が+6〜8ptだったのに対し、連休直前の9/15〜18は平均+2pt程度(9/15は見込みを1.22pt下回りました)にとどまりました。前号で「谷」とした連休直前は、直前予約でも埋まり切らなかった形です。
DATA前年との稼働の差は縮小、単価の上乗せも縮小。稼働率の前年差は9月前半▼16.20pt→9月後半▼2.00ptまで縮まりました。一方、ADRの前年比は9月の▲58.4%に対し、10月前半の見込みは▲33.7%(61,330円)です。「稼働が戻り、単価の上乗せが薄まる」方向に動いている可能性があります。
INSIGHT9月は「大型ホテルが首位、貸別荘が後退」と序列が入れ替わりました。8月に規模帯で最下位だった51室以上が69.88%で首位に立ち、8割稼働だった貸別荘は74.08%に下がりました。夏休みの家族・グループ需要が抜けた後の、秋の客層の変化を映している可能性があります(第7章)。

この号の読み方

本号は月2回発行の10月前半号(H1・月初発行)です。第3章で9月全体を確定値で答え合わせし、第4章でこれからの15日間(10/1〜15)を先読み、第5章でその先(10/16〜12/31)を見通します。デフォルト表示のまま読み進めれば5分程度で要点を把握できます。
第 2 章

直近1年の推移

問い:この1年、やんばるの宿泊市場に何が起きているか。

9月の確定値は稼働率68.93%・ADR74,552円で、稼働率は8月(67.14%)から1.79pt持ち直しました。夏の間に広がった前年比の落ち幅(7月▼2.33pt→8月▼10.11pt)は、9月に▼8.65ptとわずかに縮小しています。ADRは8月の94,714円をピークに季節的な正常化に入りましたが、前年9月(47,066円)比では▲58.4%と高い水準を保っています。稼働率×ADRの簡易計算では、9月は前年比で約4割高い水準です。

図 2-1月次推移|客室稼働率・平均単価(2025年9月〜2026年9月・確定値)

今号から2026年9月が全日確定値になりました。

詳細データを見る(月次実績の内訳・ホテル数)
表 2-1|月次の客室稼働率・ADR・ホテル数
月稼働率ADRホテル数
2025年9月77.58%¥47,066572
2025年10月75.89%¥44,900555
2025年11月69.66%¥43,114554
2025年12月66.23%¥50,700560
2026年1月58.25%¥61,690558
2026年2月72.97%¥61,219548
2026年3月66.41%¥63,705555
2026年4月73.01%¥70,266559
2026年5月66.32%¥82,219550
2026年6月63.73%¥80,268553
2026年7月70.34%¥88,726568
2026年8月67.14%¥94,714578
2026年9月68.93%¥74,552578

POINT — 稼働は持ち直し、単価は正常化へ

9月は「稼働率が前月より上がり、ADRが下がる」月でした。前年比で見ても、稼働の落ち幅は縮み、単価の上乗せは夏より小さくなっています。秋以降は「単価を守るか、稼働を取りにいくか」の判断がしやすくなる局面です。自館の9月実績を、稼働率とADRの両方で前年と比べておくことを推奨します。
飲食・小売・アクティビティの方へ 9月はやんばる地域内に泊まる人の数が8月より少し増え、前年との差も縮まりました。一方、宿泊単価は夏より下がり始めています。客層が「夏の高単価層」から「秋の幅広い層」へ移りつつある可能性があり、価格帯の幅を持たせたメニュー・体験の用意が合いやすい時期です。
第 3 章

9月の実績 — 答え合わせ

問い:9月(9/1〜30・全日確定)の実績を確認する章です。自館の実績と重ねてご確認ください。

9月は全日確定で68.93%・ADR74,552円でした。前半(9/1〜14)の66.16%に対し、後半(9/15〜30)は71.41%と5pt以上高く、月の山はシルバーウィークに集中しました。連休5日間は81.91%で、9/20(日)90.49%・9/21(月・敬老の日)90.74%と2日連続で9割を超えています。前号の見込み(連休平均76.98%)からは+4.93ptの上振れです。前号が「手を打つべき日」とした3日間は、9/17(木)63.39%(見込み比+3.17pt)・9/18(金)65.45%(同+4.26pt)・9/26(土)71.33%(同+6.08pt)で着地しました。連休明けの9/26は谷を脱しましたが、連休直前の9/15〜18は63%前後にとどまり、9月後半で最も低い4日間のままでした。

図 3-1日別カレンダー|客室稼働率(9/1〜30・全日確定)

月火水木金土日
9/161.79/261.59/363.79/465.29/567.99/663.9
9/765.39/866.39/966.59/1068.09/1169.49/1272.99/1368.0
9/1466.09/1563.09/1662.49/1763.49/1865.59/1980.19/2090.5
9/21敬老の日90.79/22休日80.09/23秋分の日69.09/2469.19/2572.09/2671.39/2765.2
9/2867.69/2967.79/3067.8
低 高 朱枠=前号で「手を打つべき日」とした日(9/17・18・26)

数値は客室稼働率(%)。今号から9月は全日が確定値です。自館の予約表・実績と重ねて、繁閑の波が一致しているかご確認ください。

詳細データを見る(9月サマリー・前号先読みとの答え合わせ・曜日別の傾向)
表 3-1|9月(9/1〜30)のサマリー
指標今号(9月・確定)前年同月(確定)増減
客室稼働率68.93%77.58%▼8.65pt
平均単価(ADR)¥74,552¥47,066▲58.4%
うち9月前半(9/1〜14)66.16%82.36%▼16.20pt※
うち9月後半(9/15〜30)71.41%73.41%▼2.00pt※
うちシルバーウィーク(9/19〜23)81.91%——
集計ホテル数578軒572軒▲6軒

※前年(2025年)は9/13〜15が3連休で9月前半に繁忙期があり、今年は9/19〜23の5連休が後半にあります。前半・後半それぞれの前年差は連休の位置ズレを含むため、月全体の比較(▼8.65pt)をあわせてご覧ください。

表 3-2|前号先読みとの答え合わせ(9/15〜30・日別)
日付前号見込み実績差
9/15(火)64.25%63.03%▼1.22pt
9/16(水)60.52%62.43%▲1.91pt
9/17(木)60.22%63.39%▲3.17pt
9/18(金)61.19%65.45%▲4.26pt
9/19(土)77.24%80.09%▲2.85pt
9/20(日)87.46%90.49%▲3.03pt
9/21(月・敬老の日)86.55%90.74%▲4.19pt
9/22(火・休日)72.38%80.02%▲7.64pt
9/23(水・秋分の日)62.26%69.00%▲6.74pt
9/24(木)62.90%69.10%▲6.20pt
9/25(金)64.84%71.96%▲7.12pt
9/26(土)65.25%71.33%▲6.08pt
9/27(日)63.13%65.21%▲2.08pt
9/28(月)64.53%67.57%▲3.04pt
9/29(火)63.97%67.75%▲3.78pt
9/30(水)62.11%67.76%▲5.65pt

曜日別の傾向(9月の確定値・シルバーウィーク5日間を除く25日)

連休の影響を除いた9月の曜日別では、土曜70.71%が最も高く、水曜64.54%が最も低い形です。差は約6ptで、前号(8/16〜9/14の30日間)とほぼ同じ波の大きさです。ADRも土曜80,130円が最も高く、「週末に埋まり、週末に単価が上がる」通常の形が続いています。第4章の弱い日の判定には、この曜日別平均を物差しとして使っています。

表 3-3|曜日別の客室稼働率・ADR(9月・SW除く25日)
曜日稼働率ADR
月66.30%¥69,741
火64.66%¥70,948
水64.54%¥70,554
木66.04%¥71,133
金68.00%¥74,141
土70.71%¥80,130
日65.69%¥73,853

POINT — 答え合わせの学び:連休の「後ろ」は埋まり、「前」は埋まりにくい

先読み値は3号連続で上振れして着地しました(8月後半+4.27pt→9月前半+5.29pt→9月後半+4.15pt)。一方、日別に見ると上振れの大きさは一様ではなく、連休明けの平日は+6〜8pt積み上がったのに対し、連休直前の平日は+2pt程度でした。前号の課題1(連休前後の谷)のうち、連休明けは解消、連休直前は一部残ったという結果です。この学びは、10月の3連休(10/10〜12)の前後を読むときにも使えます(第4章)。
飲食・小売・アクティビティの方へ 9月のやんばる地域内の滞在客数は、シルバーウィーク(特に9/20〜21)に大きな山がありました。連休明けの1週間(9/24〜30)も67〜72%と客足が続いた一方、連休直前の4日間は63%前後と静かでした。来年以降の大型連休でも、仕入れ・人員は「連休中〜連休明け」に厚く、「連休直前」は控えめにするのが実績に沿った配分です。
第 4 章

これからの15日間 — 先読み

問い:直近の確定実績の続き、これから2週間はどう動くか(今号は10/1〜15の15日間)。

10/1〜15の予定稼働率は平均70.67%・ADR61,330円の見込みで、9月の実績(68.93%)を上回る水準です。前号時点の見込み(65.42%)からも2週間で+5.25pt積み上がりました。山はスポーツの日を含む3連休(10/10〜12)の初日10/10(土)で79.00%、ADRも74,348円と期間で最も高い見込みです。一方、連休最終日の10/12(月・祝)と翌10/13(火)は65%前後で期間の谷になっています。平日も70%前後で推移しており、週末・祝日との差は稼働で約2pt・単価で約7,700円と、9月後半(約11pt)より小さい形です。前年同期(79.95%)との比較では▼9.28ptですが、直近3号の上振れ幅(+4〜5pt)を踏まえると、差は縮まる可能性があります。

図 4-1日別の予定稼働率(10/1〜15)

月火水木金土日
10/172.610/273.710/374.710/470.4
10/571.210/671.010/766.910/871.910/973.710/1079.010/1171.0
10/12スポーツの日65.010/1364.910/1466.710/1567.5
低 高 斜線=予定値(全日) 朱枠=手を打つべき日

色の基準は図3-1と同一です。10/12スポーツの日を含む3連休(10/10〜12)があります。

手を打つべき3日間

各日の予定稼働率を、9月の確定値(シルバーウィーク5日間を除く)における同じ曜日の平均と比べ、上回り幅が小さい(または下回る)順に並べました。今号は先読み期間のほぼ全日が同曜日平均を上回っており、大きな谷はありません。そのうえで相対的に弱い3日間です。

10/12(月・祝)

65.00% / 月曜平均 66.30%

▼1.30pt。3連休の最終日で、翌日が平日のため平日並みの動きです。先読み期間で唯一、同曜日平均を下回っています。

10/13(火)

64.92% / 火曜平均 64.66%

▲0.26pt。期間で最も低い稼働率で、ADRも55,036円と最安です。連休明けの初日にあたります。

10/15(木)

67.49% / 木曜平均 66.04%

▲1.45pt。連休明けの凪(10/12〜15・平均66%前後)の最終日で、同曜日平均との差が小さい日です。

POINT — 谷は浅いが、「連休明け」に固まっている

今号の谷は浅く、直近の上振れ傾向を踏まえれば慌てる必要はないと考えられます。ただし、弱い日は3連休明けの10/12〜15に集中しています。第3章の答え合わせでは「連休明けは直前予約で埋まりやすい」結果でしたが、今回は連休最終日の宿泊(10/12泊)を含むため、連休を1泊延ばす提案(10/12泊の延泊特典など)と、連休明け平日の連泊・ワーケーション訴求の組み合わせが有効と考えられます。
詳細データを見る(日別の値・週別の予約状況・平日と週末の収益力比較)
表 4-1|日別の予定稼働率・ADRと同曜日平均との差(10/1〜15)
日付曜日予定稼働率予定ADR同曜日平均(9月)差
10/1木72.64%¥58,00866.04%▲6.60pt
10/2金73.67%¥62,20668.00%▲5.67pt
10/3土74.67%¥65,94470.71%▲3.96pt
10/4日70.36%¥61,49765.69%▲4.67pt
10/5月71.19%¥59,23266.30%▲4.89pt
10/6火71.03%¥59,14464.66%▲6.37pt
10/7水66.89%¥56,54164.54%▲2.35pt
10/8木71.95%¥57,93866.04%▲5.91pt
10/9金73.71%¥64,55568.00%▲5.71pt
10/10土79.00%¥74,34870.71%▲8.29pt
10/11日70.97%¥71,88265.69%▲5.28pt
10/12(スポーツの日)月65.00%¥58,77866.30%▼1.30pt
10/13火64.92%¥55,03664.66%▲0.26pt
10/14水66.70%¥57,21164.54%▲2.16pt
10/15木67.49%¥58,18466.04%▲1.45pt
表 4-2|週別の予約状況(予定・日別値の単純平均)
週平均稼働率平均ADR
10/1〜771.49%¥60,367
10/8〜15(3連休を含む)69.97%¥62,242
表 4-3|平日・週末(土日祝)の収益力比較(10/1〜15・予定・日別値の単純平均)
稼働率ADR
平日(10日間)70.02%¥58,806
週末・祝日(5日間)72.00%¥66,490

平日と週末・祝日の差は稼働で約2pt・単価で約7,700円と、9月後半(稼働約11pt・単価約1.2万円)より小さくなっています。10月前半は平日の需要が底堅い一方、週末の単価の上げ幅は控えめな見込みです。

飲食・小売・アクティビティの方へ 10月前半のやんばる地域内の滞在客数は、平日も含めて9月より多めに推移する見込みです。最も混むのは3連休初日の10/10(土)で、連休明けの10/12〜15はやや落ち着きます。平日の客足が比較的しっかりしている時期なので、平日のランチ・体験の受け入れ枠を確保しておくのが合理的です。
第 5 章

3か月先の見通し

問い:この先、市場はどう動くか。

10/16以降の見通しを予定データ(OTA掲載ベース)で確認します。10月後半64.25%→11月前半55.81%→11月後半45.04%→12月前半32.76%と半月ごとに切り下がる形は前号と同じですが、前号見込みとの比較では10月後半+5.47pt・11月前半+5.32pt・11月後半+5.01pt・12月前半+3.93ptと、全区分で4〜5pt上積みされました。今号から見通しに入った12月後半は34.72%と12月前半を上回り、ADRも66,034円と見通し期間で最も高い見込みです。年末年始の予約が早くも入り始めていることがうかがえます。

図 5-1半月単位の見通し|客室稼働率・ADR(10/16〜12/31・予定データ)

すべてOTA掲載ベースの予定値です。予定データは2027年1月1日まで存在しますが、見通しは12月末までとしています。

詳細データを見る(半月別の見込み・前号比・前年実績)
表 5-1|半月別の見込みと前号比・前年同期実績
期間稼働率見込みADR見込み前号見込みからの変化前年同期(確定)
10月後半(10/16〜31)64.25%¥58,262▲5.47pt72.45%
11月前半(11/1〜15)55.81%¥59,245▲5.32pt62.33%
11月後半(11/16〜30)45.04%¥54,660▲5.01pt77.01%
12月前半(12/1〜15)32.76%¥55,187▲3.93pt68.66%
12月後半(12/16〜31)34.72%¥66,034—63.96%

CAUTION — この数字の読み方

本章の数値はOTA掲載ベースの見込みであり、確定した予約実績ではありません。直近3回の答え合わせでは実績が見込みを+4〜5pt上回っており、先の期間ほど上振れ余地が大きいと考えられます。前年同期の実績(10月後半72.45%・11月後半77.01%など)と単純に比べて「秋冬が大きく落ち込む」と読むのは早計です。注視すべきは水準よりも、どの半月が相対的に弱いか(今号では11月後半〜12月前半)の形のほうです。
第 6 章

沖縄県内での位置づけ

問い:やんばる(北部)は、沖縄県全体の中でどんな立ち位置にあるか。

直近の確定月である2026年9月で沖縄県内4エリアを比べると、稼働率は南部80.32%>離島72.67%>中部70.12%>北部(やんばる)68.93%で、北部は4エリア中最下位が続いています。ただし3位の中部との差は1.19ptと、8月(2.04pt)より縮まりました。ADRは北部74,552円が引き続き県内トップで、2位の離島(56,018円)との差は18,534円です(8月は26,580円)。「最も高く売り、最も埋まっていない」構造は変わりませんが、9月はその両方の差が縮みました。

図 6-1沖縄県4エリア比較|客室稼働率・ADR(2026年9月確定)

詳細データを見る(4エリアの内訳・施設規模)
表 6-1|沖縄県4エリアの比較(稼働率の高い順・2026年9月確定)
エリア稼働率ADRホテル数平均部屋数/軒
南部80.32%¥26,63530777.7室
離島72.67%¥56,01857522.8室
中部70.12%¥45,38820937.5室
北部(やんばる)68.93%¥74,55257822.0室

北部は1軒あたり平均22.0室と小規模施設中心の構成で、大型ホテル中心の南部(平均77.7室)とは市場の性質が大きく異なります。

POINT — 県内最下位は続くが、差は稼働・単価とも縮小

9月は北部の稼働率が中部に1pt強まで迫る一方、ADRの県内トップの差は約2.6万円から約1.9万円に縮みました。高単価で売る構造から、稼働と単価のバランスを取りにいく局面に移りつつある可能性があります。10月以降、この差がどちらに動くかを引き続き確認します。
飲食・小売・アクティビティの方へ やんばるに泊まる人の数は、県内の他エリアとの差が縮まりつつあります。一方で宿泊単価は依然として県内で最も高く、客単価の高い来訪者が多い市場であることは変わりません。高価格帯の体験・飲食の受け皿は引き続き商機があり、秋は利用者の幅も広がり始めています。
第 7 章

宿泊タイプ別・エリア別ベンチマーク

問い:比べる相手を「同じ土俵」に揃えると、何が見えるか。

直近確定月(2026年9月)のベンチマークです。前号で「9月の確定で序列が続くか確認する」としていた点は、序列が入れ替わる結果になりました。客室規模別では8月に最下位だった51室以上が69.88%(8月比▲6.01pt)で首位に立ち、1〜20室は69.59%(同▼5.36pt)に下がりました。タイプ別でも、8月に独走していた貸別荘が74.08%(同▼6.07pt)・ADR79,212円に下がる一方、リゾートホテルは68.73%(同▲2.95pt)に上がっています。北部4エリア別では門口やんばるが73.78%で首位、8月首位のうふやんばるは61.54%(同▼10.08pt)と大きく下げました。島やんばるは34.84%と、引き続き大きく取り残されています。

図 7-1宿泊タイプ別 客室稼働率(5施設以上のタイプのみ・2026年9月)

図 7-2客室規模別 客室稼働率(2026年9月)

詳細データを見る(タイプ別ADR一覧・規模別・北部4エリア別内訳)
表 7-1|宿泊タイプ別の客室稼働率・ADR(5施設以上のタイプのみ・2026年9月)
カテゴリー軒数稼働率ADR8月比
ホステル4575.24%¥35,845▼1.66pt
貸別荘27474.08%¥79,212▼6.07pt
リゾートホテル9768.73%¥126,181▲2.95pt
コテージ6265.38%¥62,265▼8.35pt
ペンション3163.33%¥40,134▼6.26pt
ビジネスホテル1562.28%¥17,364▲3.68pt
民宿853.38%¥20,273▼9.78pt
ゲストハウス2752.90%¥24,296▼2.31pt
表 7-2|客室規模別(2026年9月)
規模帯軒数稼働率ADR8月比
51室以上4869.88%¥71,984▲6.01pt
1〜20室49069.59%¥77,510▼5.36pt
21〜50室4064.07%¥42,746▼2.81pt
表 7-3|やんばる4エリア別(2026年9月)
エリア稼働率ADR軒数8月比
門口やんばる73.78%¥119,546160▲2.62pt
なかやんばる65.99%¥58,173380▲1.84pt
うふやんばる61.54%¥50,91830▼10.08pt
島やんばる34.84%¥31,6468▼6.79pt

オーベルジュは9月の掲載施設が4軒となったため、表7-1・図7-1の対象(5施設以上)から外れています。

POINT — 夏の勝ち組(貸別荘・小規模)と秋の勝ち組(大型・リゾート)は違う

夏は家族・グループ向けの貸別荘や小規模施設が強く、9月は大型ホテル・リゾートホテルが巻き返しました。季節によって「強い帯」が入れ替わるため、自館と比べる相手は、同じ規模帯・同じタイプの数字にすると読み違えが減ります。貸別荘・小規模施設は、10月以降の秋の需要に合わせたプランの見直しが課題になる可能性があります。
第 8 章

口コミの動向 — 市町村ごとの特徴

問い:宿泊客は、やんばるの何を語っているか。

直近3か月(6/28〜9/27)の口コミをOTAサイト別に見ると、Booking.com(4.51点)が最も高く、じゃらん(4.30点)が最も低い順位は前号と同じです。市町村別(口コミ100件以上)では恩納村4.46点がトップで、今帰仁村が4.41点で2位に上がりました。本部町は4.35点で2号連続の最下位です。今号は「人・清潔さ・自然」の3語で言及率を集計しました。「スタッフ」は恩納村22.0%、「清潔」は本部町15.7%、「自然」は今帰仁村6.6%がそれぞれ最高で、評価のされ方が市町村ごとに分かれています。

図 8-1OTAサイト別 平均口コミスコア(6/28〜9/27)

縦軸は4.0点起点(5点満点)です。件数はBooking.com 857件・楽天トラベル 1,471件・Expedia 653件・じゃらん 459件です。

図 8-2市町村別 キーワード言及率(口コミ100件以上・6/28〜9/27)

詳細データを見る(OTAサイト別・市町村別平均スコア・キーワード内訳)
図 8-1のデータ|OTAサイト別 平均口コミスコア(6/28〜9/27)
OTAサイト平均スコア件数
Booking.com4.51857
楽天トラベル4.401,471
Expedia4.38653
じゃらん4.30459
表 8-1|市区町村別 平均口コミスコア(100件以上・6/28〜9/27)
市区町村平均スコア件数
恩納村4.461,378
今帰仁村4.41271
名護市4.38804
本部町4.35625
表 8-2|市町村別 キーワード言及率(6/28〜9/27)
市区町村スタッフ清潔自然
恩納村21.99%13.79%0.65%
今帰仁村14.39%12.92%6.64%
名護市18.66%15.17%1.37%
本部町13.92%15.68%3.20%

キーワードは号ごとにテーマを替えて集計しています(前号は滞在の基本体験=朝食・景色・駐車、今号は人・清潔さ・自然)。

市町村ごとのトピック

恩納村

「スタッフ」言及22.0%でトップ — 接客で語られるリゾート地
スタッフへの言及は4市町村で最も高く、スコア4.46点・件数1,378件もトップです。前号の「朝食」に続き、人によるサービスが評価の中心にあります。一方「自然」は0.7%と4市町村で最も低い水準です。

今帰仁村

「自然」言及6.6%で突出 — 恩納村の約10倍
自然への言及は2位の本部町(3.2%)の約2倍、恩納村(0.7%)の約10倍です。前号の「景色」に続き、環境そのものが語られる村です。スコアも4.41点で2位に上がりました。

名護市

「スタッフ」18.7%・「清潔」15.2%とも2位 — バランス型
どちらの言及率も上位で、突出した項目はないものの満遍なく語られています。スコアは4.38点で3位です。

本部町

「清潔」言及15.7%で最高、ただしスコアは2号連続の最下位
清潔への言及は4市町村で最も高い一方、「スタッフ」は13.9%で最も低く、スコアは4.35点でした。言及率は肯定・否定を区別しないため、清潔さが「評価」と「指摘」のどちらで語られているかは、自館の口コミ本文で確認することを推奨します。

CAUTION — 言及率の読み方

キーワード言及率は口コミ本文に対する単純なキーワード一致による集計であり、文脈(肯定・否定)までは判別していません。「自然」は言及率自体が低いキーワードのため、差は参考値として扱ってください。

POINT — 「人の恩納・自然の今帰仁」、本部町は評価軸の確認を

恩納村は人(接客)、今帰仁村は自然が語られる構図がはっきりしています。本部町は2号連続でスコアが最下位となり、夏の「海」の話題が落ち着いた後の評価軸が定まっていない可能性があります。本部町の事業者は、自館の直近の口コミで「清潔」「スタッフ」がどう語られているかを確認することを推奨します。
第 9 章

アクション推奨事項

問い:次に何を実行するか。

課題1|3連休明けの谷(10/12〜15)— 「連休を1泊延ばす」提案で拾う

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DATA10/12(月・祝)は65.00%で月曜平均比▼1.30pt、10/13(火)は64.92%で先読み期間の最低値です。10/12〜15の4日間は平均66%前後で、期間平均(70.67%)を4pt強下回ります(第4章 図4-1・弱い日カード)。
INSIGHT9月の答え合わせでは、連休明けの平日は直前予約で+6〜8pt積み上がりました(第3章 表3-2)。ただし今回の谷は連休最終日の宿泊(10/12泊)を含みます。連休客が「もう1泊」する理由をつくることが、値下げよりも効果的と考えられます。
ACTION What:10/12泊の延泊特典や、10/13〜15の平日連泊プランの投入を推奨します。
How:連休客向けに「最終日もう1泊」の見せ方をOTA上で整え、平日はワーケーション・ゆったり滞在の訴求とあわせて掲載することを推奨します。
Who:各宿泊事業者。When:10/9まで(連休前)。

課題2|単価の前年上乗せが縮小 — 秋冬は「稼働と単価のバランス」の見直し時期

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DATAADRの前年比は9月の▲58.4%に対し、10月前半の見込みは▲33.7%です。稼働率の前年差は9月後半▼2.00ptまで縮まりました。見通しでは11月後半45.04%・12月前半32.76%が相対的に弱い一方、12月後半は34.72%・ADR66,034円と12月前半を上回っています(第2章・第4章・第5章 表5-1)。
INSIGHT夏の「高単価で売る」状態から、前年の水準に近づいていく局面に入った可能性があります。需要の弱い半月に単価を据え置いたままにすると、稼働の差が再び広がるおそれがあります。一方、年末年始は予約が早く入り始めており、単価を守れる余地があると考えられます。
ACTION What:11月後半〜12月前半の弱い期間に向けた販促と、年末年始(12月後半)の単価維持を推奨します。
How:自館の9月・10月の単価と稼働を前年同期と照らし、弱い半月は付加価値型プラン(連泊・食事付き等)で調整し、年末年始は早めに掲載を整えることを推奨します。観光協会・自治体には、11月後半〜12月前半のイベント・キャンペーン情報の集約と発信を推奨します。
Who:各宿泊事業者+観光協会・自治体。When:10月中。

課題3|名護市の前年比▼14.84pt — 主要4市町村で落ち幅が突出

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DATA9月全体の前年比は、恩納村▼4.01pt・本部町▼5.37pt・今帰仁村▼9.84ptに対し、名護市は79.94%→65.10%(▼14.84pt・107軒)と主要4市町村で最も大きく落ちました。9/1〜14時点(▼21.29pt)から続く傾向です。周辺部でも東村▼24.48pt・伊江村▼15.80pt・国頭村▼14.89ptと大きな落ち込みが続いています(付表1)。
INSIGHT前号までは「周辺部の急落」を課題としてきましたが、9月の確定値では、軒数の多い名護市でも落ち幅が大きいことがはっきりしました。小標本の周辺部と違い、名護市は107軒の集計で、市場としての変化を示している可能性があります。供給(施設数・客室数)の変化か需要の変化かの切り分けが必要です。
ACTION What:名護市と周辺部(東村・伊江村・国頭村)の落ち込み要因の確認を推奨します。
How:やんばる地域内の事業者へのヒアリングと、詳細ダッシュボード③(客室数と施設数)による供給の変化の確認をあわせて行うことを推奨します。
Who:観光協会・自治体。When:10月中。
宿泊事業者の方へ

今号から次号までに確認いただきたいこと

  • 10/9まで3連休の延泊プランの投入:10/12泊の延泊特典と、10/13〜15の平日連泊の選択肢をOTA上で見せることを推奨します根拠:第4章 図4-1・弱い日カード
  • 10月中秋冬の単価と稼働の見直し:自館の9月実績を前年と比べたうえで、11月後半〜12月前半の付加価値型プランと、年末年始の早期掲載を推奨します根拠:第2章 表2-1・第5章 表5-1
  • 次号まで口コミ本文の確認(本部町の事業者):「清潔」「スタッフ」の語られ方を自館の口コミで確認することを推奨します根拠:第8章 表8-2
観光協会・自治体の方へ

今号から次号までに確認いただきたいこと

  • 10月中名護市・周辺部の落ち込み要因の確認:名護市(▼14.84pt)と東村・伊江村・国頭村の前年割れの要因を、供給と需要の両面から確認することを推奨します根拠:付表1・第7章 表7-3
  • 10月中11月後半〜12月前半の情報発信:見通しで相対的に弱い期間に合わせ、イベント・キャンペーン情報の集約と発信を推奨します根拠:第5章 図5-1

NEXT

次号(2026年10月後半号)では、10月全体(10/1〜15確定・10/16〜31予定)を一体型カレンダーで確認します。3連休(見込み10/10 79.00%)の着地と、10/12〜13の谷がどこまで埋まったかが焦点です。あわせて10月後半(見込み64.25%)を先読みします。
第 10 章

詳細ダッシュボード

問い:本レポートの数字の先を、自分の条件で掘るには。

本レポートの集計元であるOTA宿泊データは、以下のダッシュボードでいつでも詳しくご覧いただけます。期間や条件を切り替えて、自館・自地域の視点での深掘りにご活用ください。

① 宿泊OTA詳細情報

稼働率・ADRなど、本編で扱った主要指標の詳細を確認できます。
ダッシュボードを開く →

② 沖縄県全体との比較

沖縄県全体と北部(やんばる)の比較を確認できます(第6章の深掘りに)。
ダッシュボードを開く →

③ 客室数と施設数

施設数・客室数の内訳を確認できます(第7章の規模別分析の深掘りに)。
ダッシュボードを開く →

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参考:算出定義とデータ品質

詳細を見る(算出式・付表1・データ範囲)

算出式

客室稼働率の定義
(OTA掲載数-OTA在庫数)÷OTA掲載数。掲載されている客室のうち販売済みとなった割合です。
平均単価(ADR)の定義
AVG(平均単価)。ホテル×日付の平均単価を単純平均したものです。
稼働率×ADR(簡易計算)
月の客室稼働率と平均単価を掛け合わせた参考値です(第2章)。客室あたりの売上の目安として前年比較にのみ使っています。
キーワード言及率の定義
口コミ本文(日本語訳)に該当キーワードが含まれる口コミの割合です。文脈(肯定・否定)は問わない単純一致です。
曜日別平均(弱い日の判定)
9月の確定値から、シルバーウィーク(9/19〜23)の5日間を除いた25日で曜日ごとに集計した値です。連休による押し上げを除くため、今号から連休を除外しています。
先読み(予定値)の読み方
第4章・第5章の予定値はデータ基準日時点のOTA予約状況にもとづく見込みで、確定が進むと上振れする傾向があります(8月後半+4.27pt・9月前半+5.29pt・9月後半+4.15ptの上振れを確認済み)。水準よりも期間内の相対的な強弱の形に注目してください。
前号掲載値との差
9/1〜14の日別値は、データの更新により前号掲載値から小数第2位・単価がわずかに変わっている日があります(例:9月前半の稼働率 66.15%→66.16%)。本号では最新の値を使っています。
前年同期比の注意(9月)
前年(2025年)は9/13〜15が3連休、今年(2026年)は9/19〜23が5連休と、連休の位置が異なります。また前年9月上旬には稼働率が100%近くになる日が続いており、前年値が高めに出ている可能性があります。月全体の比較をあわせてご覧ください。
楽天OTAに関する注記
楽天OTAの仕様変更により、残室数が10室以上の場合は実数値が取得できない可能性があります(公式注記)。

付表1|市町村別の客室稼働率(前年同月比・2026年9月 vs 2025年9月・全日確定)

付表1|市区町村別 客室稼働率・前年同月比(9月)
市区町村前年同月今年増減軒数
宜野座村71.91%69.26%▼2.65pt11
恩納村78.84%74.83%▼4.01pt136
大宜味村80.27%76.15%▼4.12pt9
本部町73.66%68.29%▼5.37pt154
今帰仁村74.86%65.02%▼9.84pt119
金武町72.44%59.59%▼12.85pt13
名護市79.94%65.10%▼14.84pt107
国頭村79.37%64.48%▼14.89pt10
伊江村50.64%34.84%▼15.80pt8
東村66.59%42.11%▼24.48pt11

宜野座村・大宜味村・金武町・国頭村・伊江村・東村など軒数の少ない市町村の増減は参考値として扱います(サンプル極小)。伊平屋村は今年の集計期間に掲載データがないため掲載していません。

REFERENCE

データソース:OTA宿泊データ。
集計方法:日別・ホテル別データを直接集計。北部4エリアで絞り込み(第6章のみ沖縄県4エリア全体)。
データ範囲:実績データ 2018年1月1日〜2026年9月30日、予定データ 2026年10月1日〜2027年1月1日(2026年10月月初のデータ取得時点)。口コミデータは2026年9月27日まで確認済み。
出典:メトロエンジン株式会社。