YAMBARU INBOUND VISITOR SURVEY — INAUGURAL ISSUE

Yam-D-AI分析レポートβ版(インバウンドアンケート)2025年10月〜2026年8月分

本号は、やんばるインバウンドアンケートレポートの初回配信(創刊号)です。調査開始(2025年10月)から2026年8月までの11ヶ月・全447件を総括し、国籍・属性、来訪目的・情報収集、宿泊・消費、満足度・NPS・観光客の声を整理いたしました。期間内の前半(2025年10月〜2026年3月)と後半(2026年4月〜8月)の変化も併記いたします。

対象期間
2025年10月1日〜2026年8月31日(11ヶ月)
期間内比較
前半 2025年10月〜2026年3月/後半 2026年4月〜8月
有効回答
447件(前半300件・後半147件)
データソース
「やんばるハッピーアンケート(インバウンド)」
発行
沖縄やんばるDMO

01 EXECUTIVE SUMMARY

満足率92.6%・NPS+57.3の高評価が1年を通じて定着。一方、訪日リピーターの56.8%は今も「やんばる初訪問」— 未開拓の構造は変わっておりません。

有効回答数(11ヶ月累計)

447

前半300件/後半147件

満足率(大変満足+満足)

92.6%

前半94.3%→後半89.1%(▼5.2pt)

NPS(推奨度)

+57.3

前半+59.3→後半+53.1(▼6.2pt)

平均宿泊日数(全回答ベース)

3.38

前半3.22泊→後半3.71泊(▲0.49泊)

やんばる地域 宿泊率

87.0%

前半87.3%/後半86.4%とほぼ横ばい

やんばる地域の一人当たり消費額

72,415

前半72,519円/後半72,203円と横ばい

訪日リピーター×やんばる初訪問

56.8%

254件。最大の未開拓層です

体験への評価は11ヶ月を通じて高い水準で定着しております(不満回答は1件のみ)。一方で前半と後半を比べますと、満足率▼5.2pt・NPS▼6.2ptと緩やかな軟化が見られ、エリア内交通の満足度も78.7%→75.5%へ低下しております。また、訪日2回目以上なのにやんばるは初訪問という回答が56.8%(254件)を占め、日本への高いリピート意向がやんばるへの送客に変換できていない構造が確認されました。

詳細データを見る(前半・後半の主要指標比較表)表1-1
表 1-1|前半・後半の主要指標比較
指標前半(25/10〜26/3)後半(26/4〜26/8)全期間
有効回答数300件147件447件
満足率94.3%89.1%92.6%
NPS+59.3+53.1+57.3
やんばる地域の宿泊率87.3%86.4%87.0%
平均宿泊日数3.22泊3.71泊3.38泊
やんばる地域の一人当たり消費額72,519円72,203円72,415円
エリア内交通 満足以上率78.7%75.5%77.6%
改善点「ある」率22.3%19.7%21.5%

今回の重要な発見 3点

DATA① 高評価は定着、ただし後半に緩やかな軟化。満足率は前半94.3%→後半89.1%、NPSは+59.3→+53.1へ低下。同時期にエリア内交通の満足度も下がっており、移動体験が軟化の一因である可能性があります。
DATA② 訪日リピーターの過半がやんばる初訪問のまま。訪日2回目以上×やんばる初訪問は254件(56.8%)。やんばる初訪問は全体の66.4%で、インバウンドは今も新規顧客獲得のフェーズにあります。
DATA③ 滞在は長くなったが、消費は増えていない。平均宿泊日数は後半3.71泊(+0.49泊)へ伸びた一方、消費額は横ばい。1万円以下の低消費層が21.3%を占め、滞在の長期化を消費に変える機会づくりが課題です。

検討事項

  1. 満足率・NPSの後半軟化が一時的なものか、次期集計(2026年9月以降)で継続確認する。交通満足度の低下と改善要望の内容(道路・二次交通が中心)を併せて注視いたします。
  2. JUNGLIA(2025年7月開業)の送客効果を検証する。やんばるでの訪問目的として挙がったのは11ヶ月間で15件(3.4%)にとどまっており、開業効果がアンケート上はまだ顕在化していない可能性があります。

今回の重点アクション(第7章より)

第1〜6章の分析から絞り込んだ、次に打つべき手。詳しい根拠は第7章で確認できます。

  1. 「訪日リピーター×やんばる初訪問」56.8%への多言語送客を強化する
  2. 道路・二次交通の環境改善(標識・照明・バス情報)を進める
第7章|重点課題と施策提案を読む →
第 2 章

やんばるを訪れているインバウンド観光客

問い:誰がやんばるを訪れているか。

主役は30代(39.1%)・40代(26.0%)のアジア圏観光客で、この2層で約65%を占めます。性別はほぼ均衡(男性226・女性215)。国籍は台湾33.8%・韓国22.1%の2ヶ国で55.9%を占め、米国9.6%・香港8.9%と続きます(アジア圏計74.0%)。同行者はパートナー34.5%が最多で、家族連れ計36.5%・友人13.6%と続きます。

図 2-1年代構成(n=447)

生年の回答から年代を特定できない2件を除いて描画しております。

図 2-2国籍構成(n=447)

詳細データを見る(国籍別・国籍エリア別の内訳、世帯年収、主要セグメント)表2-1〜2-2・セグメント5枚
表 2-1|国籍別 回答数・平均泊数・平均消費額・平均推奨度(n≧8)
国籍件数構成比平均泊数平均消費額平均推奨度
台湾15133.8%2.94泊¥53,2668.82
韓国9922.1%3.07泊¥74,8008.93
米国439.6%3.79泊¥60,7779.00
香港408.9%3.28泊¥114,1308.33
カナダ235.1%5.09泊¥76,4869.09
シンガポール204.5%2.85泊¥83,8628.60
中国122.7%4.92泊¥80,4128.17
ドイツ(参考)81.8%5.88泊¥140,2979.63
その他(豪・伊・馬・泰ほか)5111.4%
表 2-2|国籍エリア別 回答数・平均泊数・平均消費額・平均推奨度
国籍エリア件数構成比平均泊数平均消費額平均推奨度
アジア33174.0%3.14泊¥70,0758.75
北米6614.8%4.24泊¥66,2519.03
ヨーロッパ184.0%4.00泊¥87,7359.33
オセアニア(参考)40.9%3.50泊¥212,0129.25
その他286.3%3.82泊¥84,8119.00

世帯年収(回答279件ベース)

世帯年収に回答した279件のうち、日本円換算で1,000万円以上が57.3%(160件)を占めます。内訳は500〜1,000万円119件、1,000〜1,500万円66件、3,000万円以上34件、1,500〜2,000万円31件、2,000〜2,500万円20件、2,500〜3,000万円9件で、購買力の高い層が中心です(未回答・その他168件は分母から除外)。

主要セグメント(国籍エリア×宿泊日数×訪問回数)

国籍エリア(アジア/欧米豪・その他)×やんばる宿泊日数(非宿泊/1〜2泊/3泊以上)×訪問回数(初回/リピーター)で分類すると、「アジア・3泊以上・初回」99件が最大セグメントです。消費単価では「欧米豪・その他・3泊以上・初回」(¥108,137)が最も高く、推奨度も9.02と高水準です。

SEGMENT A

アジア・3泊以上・初回

99件(最大)

平均泊数
4.75泊
平均消費額
¥101,787
平均推奨度
8.90

SEGMENT B

アジア・1〜2泊・初回

80

平均泊数
1.70泊
平均消費額
¥40,127
平均推奨度
8.54

SEGMENT A'

アジア・3泊以上・リピーター

67

平均泊数
5.58泊
平均消費額
¥85,796
平均推奨度
8.82

SEGMENT C

欧米豪・その他・3泊以上・初回

48

平均泊数
5.19泊
平均消費額
¥108,137(最高単価)
平均推奨度
9.02

SEGMENT E

アジア・非宿泊(日帰り)・初回

41

平均泊数
0泊(やんばる地域外泊)
平均消費額
¥13,350
平均推奨度
8.68

このほか「アジア・1〜2泊・リピーター」が38件ありますが、消費額平均に高額な外れ値を含むため参考扱いとしております。

POINT

台湾・韓国の2ヶ国で全体の55.9%を占める構成は期間を通じて安定しております。一方、消費単価では香港(平均¥114,130・全体平均の約1.6倍)と欧米豪初回層(¥108,137)が突出しており、「量の台湾・韓国、単価の香港・欧米豪」という二正面のアプローチが引き続き有効と考えられます。
第 3 章

来訪目的・情報収集・周遊行動

問い:なぜ来て、どう情報を集め、どう辿り着くか。

訪問目的:美ら海水族館(49.0%)と「食」(42.5%)が2枚看板

やんばるでの訪問目的(複数回答)は「沖縄美ら海水族館」49.0%が最多で、「地元の美味しいものを食べる」42.5%、「花見などの自然鑑賞」35.3%、「名所・旧跡の観光」30.2%、「宿でのんびり過ごす」28.2%と続きます。沖縄県全体の訪問目的と件数を比べますと、登山・トレッキング(94.5%)・美ら海水族館(93.2%)・リゾートホテル(85.3%)・自然鑑賞(83.6%)はやんばるでの実施率(件数比)が高い一方、買い物・アウトレット(38.3%)・まちあるき(56.4%)は県全体対比で低く、中南部で完結している様子がうかがえます。

図 3-1やんばるでの訪問目的 上位10(複数回答・n=447)

カッコ内は「やんばる継続率」=やんばるでの言及件数÷沖縄県全体での言及件数(件数比・参考値)。

詳細データを見る(情報収集チャネル・交通手段と満足度)図3-2〜3-3

情報収集:地図アプリ・YouTube・Instagramの3強。生成AIは14.1%まで定着

情報源は「Google Mapなどの地図アプリ」40.9%が最多で、YouTube 33.6%・Instagram 32.9%と続きます。「ChatGPT等の生成AI」は14.1%(63件)と、JNTOホームページ(15.0%)に並ぶ規模まで定着しております。

図 3-2情報収集チャネル 上位8(複数回答・n=447)

交通:レンタカーが74.3%。エリア内交通の満足以上率は後半に低下

やんばるまでの交通手段はレンタカー74.3%(332件)が中心で、路線バス・高速バス等は8.9%にとどまります。エリア内の移動もレンタカー74.3%が主役です。エリア内交通手段の満足度は「満足以上」77.6%で、前半78.7%→後半75.5%へ低下しております。未回答も11.4%(51件)あり、交通体験を評価しない・できない層が一定数いらっしゃいます。

図 3-3エリア内交通手段の満足度(n=447)

REFERENCE

やんばる訪問回数は「初めて」66.4%・リピーター33.6%で、インバウンドは引き続き新規顧客獲得チャネルとしての性格が強い状態です。なお、JUNGLIA(2025年7月開業)を目的に挙げた回答は11ヶ月間で15件(3.4%)にとどまり、テーマパーク経由の送客効果はアンケート上まだ限定的です。
第 4 章

宿泊・滞在・観光消費

問い:滞在は宿泊と消費につながっているか。

やんばる地域の宿泊率は87.0%(389件)、平均宿泊日数は3.38泊で、後半は3.71泊と長期化傾向にあります(最長43泊などロングステイも散見)。やんばる地域の一人当たり消費額は平均72,415円・中央値32,040円で、平均と中央値の開きが大きく、少数の高消費層と、1万円以下の低消費層21.3%(95件)が併存する分布です。

図 4-1やんばる地域の宿泊日数分布(n=447)

「6泊以上」55件には1〜2週間超の長期滞在を含みます。

図 4-2やんばる地域の消費額分布(n=447)

詳細データを見る(訪日全体の滞在・予算、国籍別消費)表4-1・図4-3
表 4-1|訪日全体の滞在・予算(平均値と中央値)
指標平均中央値
滞在日数(訪日全体)14.97日7日
滞在予算(訪日全体)¥743,354¥156,800
宿泊予算(訪日全体)¥176,183¥53,050

CAUTION

滞在予算の平均値は高額な外れ値の影響を強く受けており(平均が中央値の約4.7倍)、水準の把握は中央値ベースが妥当です。訪日全体の滞在中央値7日に対し、やんばる地域の平均宿泊は3.38泊 — 訪日旅程の相応の部分をやんばるが占めております(インバウンド版の消費額・予算は実数値回答のため換算不要)。

国籍別の平均消費額(n≧12)

図 4-3国籍別 平均消費額(円)

香港¥114,130が突出。最多の台湾は¥53,266と中位で、来訪者数と消費単価の担い手が分かれております。

POINT

後半は平均泊数が+0.49泊伸びた一方、消費額は横ばいでした。滞在の長期化が消費増につながっていないことが今回の総括で明確になり、連泊者向けの体験・飲食の受け皿づくりが次の論点です。
第 5 章

満足度・NPS・観光客の声

問い:何が評価され、何に困っているか。

満足率は92.6%(大変満足55.0%+満足37.6%)、不満は1件(0.2%)のみで、絶対水準は非常に高い状態です。NPSは+57.3(推奨者62.0%・中立33.3%・批判者4.7%)。月次で見ますと、2025年11月〜2026年2月は+60前後で安定していた一方、2026年6月以降は+42〜+55とやや低い水準で推移しており、後半の軟化傾向と整合しております。

図 5-1体験・サービス満足度の分布(n=447)

図 5-2NPSの月次推移(2025年10月〜2026年8月)

回答数が12件未満の月(2026年3月 n=4・4月 n=11)は参考のためプロットを省略しております。

詳細データを見る(月次推移の内訳・改善要望の分類・代表コメント)表5-1・図5-3・VOC
表 5-1|月次推移(回答数・平均泊数・平均消費額・NPS・満足率)
回答数平均泊数平均消費額NPS満足率
2025-10473.11¥109,426+59.685.1%
2025-11613.62¥68,583+62.398.4%
2025-12563.63¥69,042+48.296.4%
2026-01623.55¥67,207+61.396.8%
2026-02702.46¥61,046+61.492.9%
2026-03(参考 n=4)41.00¥30,680参考参考
2026-04(参考 n=11)113.73¥36,949参考参考
2026-05415.32¥98,106+63.485.4%
2026-06382.71¥49,257+47.486.8%
2026-07222.86¥90,074+54.595.5%
2026-08353.46¥66,619+42.991.4%

月別の回答数は4〜70件と変動が大きく、n<12の月は個別の百分率算出を避け参考値としております。

改善要望:道路・標識・照明と二次交通で半数を占める

改善点「ある」は21.5%(96件、前半22.3%→後半19.7%)。自由記述(有効53件抜粋の目視分類)では、「道路・標識・照明」(標識の摩耗・夜間照明の不足・ハイビーム問題など)と「二次交通」(バスの運行頻度・シャトル不在・IC カード非対応など)で半数近くを占めます。飲食の営業時間(夕食難民)、多言語対応・情報発信への指摘も継続的にあります。

図 5-3改善要望の内容分類(自由記述53件の目視分類・目安)

代表コメント|評価されている点(Q23=満足度の理由)

  • 接客サービスは、接客サービス業に従事する他のすべての人のレベルとは別次元であることが明らかでした。韓国/金武町・推奨度10
  • きれいな街、美しい夕日、並外れたスケール、美しいビュー、きれいな空、毎日このような夕日を見ることができるのは羨ましいです。韓国/本部町・推奨度10
  • 素晴らしいスタッフ。美しい宿泊施設。素晴らしい食事。カナダ/国頭村・推奨度10
  • とても楽しかったです。自然は素晴らしく美しく、出会った人々もとても親切でした。ヘド岬など、見たいものもすべて見ることができました。シンガポール/国頭村・推奨度10
  • オリオン醸造所で最初の醸造体験をしました。ガイドさんの丁寧な対応が体験をより楽しいものにしてくれました。韓国/本部町・推奨度9
  • 冬は観光客が減るし、料金も手頃です。香港/本部町・推奨度10

代表コメント|改善が求められている点(Q27=改善点の内容)

  • 夜間は道路の照明が不十分です。香港/名護市(道路・夜間照明)
  • バスの運行状況は不安定で、リアルタイムの位置情報を確認するのは非常に困難です。もっと簡単に確認できる方法が必要です。中国/名護市(二次交通)
  • 山原森のおもちゃ美術館・やんばる野生生物保護センター・ウフギー自然館などの観光スポットへのシャトルバスはありません。台湾/国頭村(シャトルバス)
  • 多くのレストランは昼食のみで、夕食はありません。夕食のために公共交通機関またはタクシーで遠くまで行くのは難しいです。中国/本部町(飲食・営業時間)

POINT

評価の絶対水準は高い一方、後半の軟化は交通体験(第3章)・改善要望の内容と方向が一致しております。「体験は最高、たどり着くまでと夜が課題」という構図が、11ヶ月を通じたインバウンドの声の要約です。
第 6 章

市町村・エリア別の特徴

問い:どの地域が、どんな役割を担っているか。

回答数は恩納村112件(25.1%)・本部町95件(21.3%)・国頭村82件(18.3%)・名護市76件(17.0%)の4市町村で8割超を占めます。国頭村は平均4.51泊と長期滞在の拠点として機能し、消費の中央値では本部町・東村(各5.0万円)、今帰仁村(7.0万円・n=11参考)が上位です。

役割別に見た市町村(回答数上位)

ゲートウェイ

恩納村

要点
回答数最多の112件。平均3.17泊・消費中央値¥30,000。リゾートホテル滞在の玄関口として、やんばる来訪の起点になっております。
消費の中心

本部町

要点
95件・消費中央値¥50,000と上位。美ら海水族館を核に飲食・宿泊への波及が見られ、推奨度も8.88と高水準です。
長期滞在の拠点

国頭村

要点
82件・平均4.51泊と突出。自然体験を軸にしたロングステイが集まり、VOCでも自然・ホスピタリティへの称賛が集中しております。
都市機能ハブ

名護市

要点
76件・平均2.96泊・消費中央値¥45,360。飲食・買い物の受け皿で推奨度8.96。一方、道路・照明・バスへの改善要望が最も集まる市でもあります。
詳細データを見る(市町村別グラフ・KPI一覧表)図6-1・表6-1

図 6-1市町村別 平均宿泊日数(n≧10の市町村)

表 6-1|市町村別 主要指標(全期間)
市町村件数平均泊数消費額中央値平均推奨度
恩納村1123.17¥30,0008.67
本部町953.12¥50,0008.88
国頭村824.51¥30,6828.77
名護市762.96¥45,3608.96
金武町212.67¥20,0008.67
東村133.77¥50,0008.77
宜野座村112.82¥15,0008.91
今帰仁村113.82¥70,0009.36
大宜味村(参考)81.13¥17,8509.00
伊江村(参考)67.33¥15,9419.67
伊是名村(参考)24.00¥63,6238.50
調査地点未設定102.70¥33,9769.00

POINT

「玄関口の恩納村・消費の本部町・長期滞在の国頭村・都市機能の名護市」という役割分担は11ヶ月を通じて一貫しております。今帰仁村は件数こそ少ないものの消費中央値・推奨度とも高く(n=11参考)、伸びしろのある市村です。
第 7 章

重点課題と施策提案

問い:次に何を実行するか。

表 7-1|重点課題 3件の概要
#課題名根拠となる主要数値主担当
1「訪日リピーター×やんばる初訪問」56.8%への到達254件が該当。やんばる初訪問は全体の66.4%DMO・観光協会
2道路・二次交通の環境改善交通満足以上率77.6%(前半→後半▼3.2pt)。改善要望の約半数が道路・交通系自治体
3滞在の長期化を消費に変える後半泊数+0.49泊でも消費横ばい。1万円以下層21.3%事業者

課題1|「訪日リピーター×やんばる初訪問」56.8%への到達(最優先)

根拠を見る(データ・示唆)
DATA訪日2回目以上でありながらやんばるは初訪問という回答は254件(56.8%)。訪日自体が初めての方は9.8%にとどまり、来訪者の9割は日本旅行のリピーターです。
INSIGHT日本への再訪意向の高さが「やんばるの既知度」につながっていない構造が、11ヶ月を通じて確認されました。中南部で完結する旅程からの送客余地が安定的に存在いたします。
ACTION What:訪日リピーターに対し、やんばるエリアの認知・送客を強化いたします。
How:最大ボリュームの台湾・韓国語に加え、高単価の香港(繁体字)・欧米豪(英語)向けに「まだ知らないやんばる」を訴求し、那覇・中南部の宿泊施設・OTAとの連携送客を検討いたします。
Who:DMO・観光協会。When:次期集計(2026年9月以降分)まで継続。
KPI:「訪日リピーター×やんばる初訪問」比率56.8%の低下傾向への転換、やんばるリピーター率33.6%の上昇。

課題2|道路・二次交通の環境改善

根拠を見る(データ・VOC)
DATAエリア内交通手段の満足以上率は前半78.7%→後半75.5%へ低下。改善要望(96件)の自由記述では道路・標識・照明系と二次交通系で約半数を占めております。
INSIGHT「標識の摩耗・夜間照明の不足」「バスの頻度・リアルタイム情報・シャトル不在」という指摘は期間を通じて繰り返し登場しており、レンタカー依存(74.3%)の裏返しとして構造化しております。
ACTION What:道路標識・夜間照明の点検改修と、二次交通の情報整備・拡充を進めます。
How:多言語標識・照明の点検を優先しつつ、バスのリアルタイム運行情報の多言語提供、主要観光施設へのシャトル便の検討を進めます。
Who:自治体(DMO・交通事業者と連携)。When:次期集計まで継続。
KPI:交通満足以上率77.6%→80%台への回復、交通系の改善要望比率の低下。

課題3|滞在の長期化を消費に変える

根拠を見る(データ・仮説)
DATA平均泊数は前半3.22泊→後半3.71泊と伸びた一方、一人当たり消費額は72,519円→72,203円と横ばい。消費1万円以下の層は全体の21.3%です。
HYPOTHESISVOCの「レストランが昼のみ・閉店が早い」という指摘を踏まえますと、夜の飲食・体験の受け皿不足が消費機会を逃している可能性があります。日帰り・短泊層(セグメントB・E)の底上げ余地も残っております。
ACTION What:連泊者・夜間の消費機会を増やし、滞在日数の伸びを消費額に転換いたします。
How:夕食営業・ナイトコンテンツの情報を多言語で集約発信し、連泊者向け体験パッケージ、高単価国籍(香港・欧米豪)向けプランを整備いたします。
Who:事業者(宿泊・飲食・体験・物販)。When:次期集計まで継続。
KPI:やんばる地域の一人当たり消費額72,415円の上昇、消費1万円以下層21.3%の低下。

主体別アクション

DMO・観光協会

未開拓の訪日リピーターへの多言語送客

  • 量の台湾・韓国、単価の香港・欧米豪への言語別訴求:香港は消費平均¥114,130と全体の約1.6倍。繁体字での高付加価値訴求の強化を推奨します
  • 初回客の周遊コース整備:美ら海水族館(言及49.0%)を起点に奥やんばるへ回遊させる多言語モデルコースの整備を推奨します
  • 生成AI時代の情報整備:情報源の14.1%が生成AIを利用。営業時間・アクセス等の公式情報を多言語で構造化し、AI経由の回答品質を高めることを推奨します
自治体

道路・二次交通インフラの多言語整備

  • 道路標識・照明の点検:「標識の摩耗・夜間照明の不足」の声を踏まえ、多言語表記を含めた点検・改修の優先実施を推奨します
  • 二次交通の情報と便数:バスのリアルタイム運行情報の多言語提供と、主要観光施設へのシャトル便の検討を推奨します
事業者(宿泊・飲食・体験・物販)

夜と連泊の消費機会づくり

  • 夕食・ナイトタイムの受け皿:「昼のみ営業・閉店が早い」という声を踏まえ、夕食営業の情報発信・営業時間の見直しを推奨します
  • 連泊メリットの訴求:平均3.38泊・宿泊率87.0%の滞在型客層に向けた、連泊者向け体験パッケージ・アクティビティの造成を推奨します

NEXT

本レポートは今号が初回配信(創刊号)です。次回は2026年9月以降の期間集計(3〜6ヶ月)として発行を予定しており、満足率・NPSの後半軟化が続くか、交通満足度が回復するか、JUNGLIA効果が顕在化するかの3点を継続観測いたします。
第 8 章

詳細ダッシュボード

問い:レポートの先を、自分の目で確かめるには。

本レポートの元データ「やんばるハッピーアンケート(インバウンド)」は、下記のダッシュボードでインタラクティブに閲覧できます。期間・国籍・市町村などをご自身で絞り込みながら、本レポートに載せきれなかった詳細をご確認ください。

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参考資料

算出定義とデータ品質

詳細を見る(KPIの算出定義・金額の算出方法・データ品質チェック)表R-1・R-2

KPIの算出定義

表 R-1|主要KPIの定義
指標算出方法出典設問
有効回答数回答IDのユニーク件数(COUNTD)回答id
満足率(大変満足+満足)÷有効回答数Q22 体験・サービス満足度
NPS推奨者割合(9-10点)-批判者割合(0-6点)Q24 推奨度
やんばる地域の宿泊率宿泊日数>0の件数÷有効回答数Q16 宿泊日数(やんばるエリア)
訪日リピーター×やんばる初訪問訪日回数が「初めて」以外、かつ、やんばる訪問回数が「初めて」の件数÷有効回答数Q6・Q18
やんばる継続率(参考値)やんばるでの目的言及件数÷沖縄県全体での目的言及件数(件数比)Q7・Q9

金額の算出方法

消費額(Q17)・予算(Q4/Q5)・世帯年収(Q31)は、回答者の申告通貨(USD/KRW/HKD/EUR等)をデータ取得時点で日本円に換算済みの実数値フィールドをそのまま集計しております(レンジ回答の中点換算は不要)。

データ品質チェックの結果

表 R-2|データ品質チェック(対象期間:2025年10月1日〜2026年8月31日)
チェック項目結果対応
月別回答数の変動最少4件(2026年3月)〜最多70件(2026年2月)n<12の月は個別の百分率算出を避け参考値として扱う
消費額の外れ値12泊・消費額1円など入力に疑義のある回答が少数存在平均への影響は限定的だが、消費額は中央値を併記して解釈する
年代の特定不能生年の回答から年代を特定できない回答が2件年代グラフから除外(他の集計には含む)

REFERENCE

データソース:「やんばるハッピーアンケート(インバウンド)」。
集計方法:query-datasourceでCOUNTD(回答IDのユニーク件数)を用いて直接集計。
抽出条件:回答日時フィールドで対象期間(2025年10月1日〜2026年8月31日)を絞り込み。期間内比較は前半(〜2026年3月31日)と後半(2026年4月1日〜)で分割。

本レポートについて

調査目的
やんばる地域を訪れた訪日外国人観光客の属性・行動・消費・満足度を継続的に把握し、地域事業者・行政・観光協会・DMOの施策検討に用いる。
対象期間
2025年10月1日〜2026年8月31日(調査開始からの11ヶ月を総括。期間内比較:前半2025年10月〜2026年3月/後半2026年4月〜8月)
調査対象
やんばる地やんばる地域内の調査地点で回答した訪日外国人観光客。国内居住者は別データセットのため本レポートの対象外。
調査方法
調査地点でのWebアンケート(自記式・多言語対応)。設問は単一回答・複数回答・自由記述の混在。
有効回答数
447件(前半300件・後半147件)
発行頻度
本号が初回配信(創刊号)。次回以降は3〜6ヶ月に一度の期間集計として発行を予定。
データ上の
注意点
① 消費額・予算・世帯年収は回答者申告通貨から取得時点で円換算済みの実数値。② NPSは推奨度0-10のうち9-10点を推奨者、0-6点を批判者として算出。③ 改善要望の内容分類はキーワードによる目視分類の目安件数。④ 複数回答設問は合計が100%を超える。⑤ 月別回答数は4〜70件まで変動があり、n<12の月(2026年3月・4月)は参考値として扱う。⑥ 本号は初回配信号(創刊号)であり、調査開始以来の全データを対象とする。