YAMBARU INBOUND VISITOR SURVEY — INAUGURAL ISSUE
本号は、やんばるインバウンドアンケートレポートの初回配信(創刊号)です。調査開始(2025年10月)から2026年8月までの11ヶ月・全447件を総括し、国籍・属性、来訪目的・情報収集、宿泊・消費、満足度・NPS・観光客の声を整理いたしました。期間内の前半(2025年10月〜2026年3月)と後半(2026年4月〜8月)の変化も併記いたします。
01 EXECUTIVE SUMMARY
有効回答数(11ヶ月累計)
447件
前半300件/後半147件
満足率(大変満足+満足)
92.6%
前半94.3%→後半89.1%(▼5.2pt)
NPS(推奨度)
+57.3
前半+59.3→後半+53.1(▼6.2pt)
平均宿泊日数(全回答ベース)
3.38泊
前半3.22泊→後半3.71泊(▲0.49泊)
やんばる地域 宿泊率
87.0%
前半87.3%/後半86.4%とほぼ横ばい
やんばる地域の一人当たり消費額
72,415円
前半72,519円/後半72,203円と横ばい
訪日リピーター×やんばる初訪問
56.8%
254件。最大の未開拓層です
体験への評価は11ヶ月を通じて高い水準で定着しております(不満回答は1件のみ)。一方で前半と後半を比べますと、満足率▼5.2pt・NPS▼6.2ptと緩やかな軟化が見られ、エリア内交通の満足度も78.7%→75.5%へ低下しております。また、訪日2回目以上なのにやんばるは初訪問という回答が56.8%(254件)を占め、日本への高いリピート意向がやんばるへの送客に変換できていない構造が確認されました。
| 指標 | 前半(25/10〜26/3) | 後半(26/4〜26/8) | 全期間 |
|---|---|---|---|
| 有効回答数 | 300件 | 147件 | 447件 |
| 満足率 | 94.3% | 89.1% | 92.6% |
| NPS | +59.3 | +53.1 | +57.3 |
| やんばる地域の宿泊率 | 87.3% | 86.4% | 87.0% |
| 平均宿泊日数 | 3.22泊 | 3.71泊 | 3.38泊 |
| やんばる地域の一人当たり消費額 | 72,519円 | 72,203円 | 72,415円 |
| エリア内交通 満足以上率 | 78.7% | 75.5% | 77.6% |
| 改善点「ある」率 | 22.3% | 19.7% | 21.5% |
問い:誰がやんばるを訪れているか。
主役は30代(39.1%)・40代(26.0%)のアジア圏観光客で、この2層で約65%を占めます。性別はほぼ均衡(男性226・女性215)。国籍は台湾33.8%・韓国22.1%の2ヶ国で55.9%を占め、米国9.6%・香港8.9%と続きます(アジア圏計74.0%)。同行者はパートナー34.5%が最多で、家族連れ計36.5%・友人13.6%と続きます。
図 2-1年代構成(n=447)
生年の回答から年代を特定できない2件を除いて描画しております。
図 2-2国籍構成(n=447)
| 国籍 | 件数 | 構成比 | 平均泊数 | 平均消費額 | 平均推奨度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 台湾 | 151 | 33.8% | 2.94泊 | ¥53,266 | 8.82 |
| 韓国 | 99 | 22.1% | 3.07泊 | ¥74,800 | 8.93 |
| 米国 | 43 | 9.6% | 3.79泊 | ¥60,777 | 9.00 |
| 香港 | 40 | 8.9% | 3.28泊 | ¥114,130 | 8.33 |
| カナダ | 23 | 5.1% | 5.09泊 | ¥76,486 | 9.09 |
| シンガポール | 20 | 4.5% | 2.85泊 | ¥83,862 | 8.60 |
| 中国 | 12 | 2.7% | 4.92泊 | ¥80,412 | 8.17 |
| ドイツ(参考) | 8 | 1.8% | 5.88泊 | ¥140,297 | 9.63 |
| その他(豪・伊・馬・泰ほか) | 51 | 11.4% | — | — | — |
| 国籍エリア | 件数 | 構成比 | 平均泊数 | 平均消費額 | 平均推奨度 |
|---|---|---|---|---|---|
| アジア | 331 | 74.0% | 3.14泊 | ¥70,075 | 8.75 |
| 北米 | 66 | 14.8% | 4.24泊 | ¥66,251 | 9.03 |
| ヨーロッパ | 18 | 4.0% | 4.00泊 | ¥87,735 | 9.33 |
| オセアニア(参考) | 4 | 0.9% | 3.50泊 | ¥212,012 | 9.25 |
| その他 | 28 | 6.3% | 3.82泊 | ¥84,811 | 9.00 |
世帯年収に回答した279件のうち、日本円換算で1,000万円以上が57.3%(160件)を占めます。内訳は500〜1,000万円119件、1,000〜1,500万円66件、3,000万円以上34件、1,500〜2,000万円31件、2,000〜2,500万円20件、2,500〜3,000万円9件で、購買力の高い層が中心です(未回答・その他168件は分母から除外)。
国籍エリア(アジア/欧米豪・その他)×やんばる宿泊日数(非宿泊/1〜2泊/3泊以上)×訪問回数(初回/リピーター)で分類すると、「アジア・3泊以上・初回」99件が最大セグメントです。消費単価では「欧米豪・その他・3泊以上・初回」(¥108,137)が最も高く、推奨度も9.02と高水準です。
SEGMENT A
アジア・3泊以上・初回
99件(最大)
SEGMENT B
アジア・1〜2泊・初回
80件
SEGMENT A'
アジア・3泊以上・リピーター
67件
SEGMENT C
欧米豪・その他・3泊以上・初回
48件
SEGMENT E
アジア・非宿泊(日帰り)・初回
41件
このほか「アジア・1〜2泊・リピーター」が38件ありますが、消費額平均に高額な外れ値を含むため参考扱いとしております。
POINT
台湾・韓国の2ヶ国で全体の55.9%を占める構成は期間を通じて安定しております。一方、消費単価では香港(平均¥114,130・全体平均の約1.6倍)と欧米豪初回層(¥108,137)が突出しており、「量の台湾・韓国、単価の香港・欧米豪」という二正面のアプローチが引き続き有効と考えられます。問い:なぜ来て、どう情報を集め、どう辿り着くか。
やんばるでの訪問目的(複数回答)は「沖縄美ら海水族館」49.0%が最多で、「地元の美味しいものを食べる」42.5%、「花見などの自然鑑賞」35.3%、「名所・旧跡の観光」30.2%、「宿でのんびり過ごす」28.2%と続きます。沖縄県全体の訪問目的と件数を比べますと、登山・トレッキング(94.5%)・美ら海水族館(93.2%)・リゾートホテル(85.3%)・自然鑑賞(83.6%)はやんばるでの実施率(件数比)が高い一方、買い物・アウトレット(38.3%)・まちあるき(56.4%)は県全体対比で低く、中南部で完結している様子がうかがえます。
図 3-1やんばるでの訪問目的 上位10(複数回答・n=447)
カッコ内は「やんばる継続率」=やんばるでの言及件数÷沖縄県全体での言及件数(件数比・参考値)。
情報源は「Google Mapなどの地図アプリ」40.9%が最多で、YouTube 33.6%・Instagram 32.9%と続きます。「ChatGPT等の生成AI」は14.1%(63件)と、JNTOホームページ(15.0%)に並ぶ規模まで定着しております。
図 3-2情報収集チャネル 上位8(複数回答・n=447)
やんばるまでの交通手段はレンタカー74.3%(332件)が中心で、路線バス・高速バス等は8.9%にとどまります。エリア内の移動もレンタカー74.3%が主役です。エリア内交通手段の満足度は「満足以上」77.6%で、前半78.7%→後半75.5%へ低下しております。未回答も11.4%(51件)あり、交通体験を評価しない・できない層が一定数いらっしゃいます。
図 3-3エリア内交通手段の満足度(n=447)
REFERENCE
やんばる訪問回数は「初めて」66.4%・リピーター33.6%で、インバウンドは引き続き新規顧客獲得チャネルとしての性格が強い状態です。なお、JUNGLIA(2025年7月開業)を目的に挙げた回答は11ヶ月間で15件(3.4%)にとどまり、テーマパーク経由の送客効果はアンケート上まだ限定的です。問い:滞在は宿泊と消費につながっているか。
やんばる地域の宿泊率は87.0%(389件)、平均宿泊日数は3.38泊で、後半は3.71泊と長期化傾向にあります(最長43泊などロングステイも散見)。やんばる地域の一人当たり消費額は平均72,415円・中央値32,040円で、平均と中央値の開きが大きく、少数の高消費層と、1万円以下の低消費層21.3%(95件)が併存する分布です。
図 4-1やんばる地域の宿泊日数分布(n=447)
「6泊以上」55件には1〜2週間超の長期滞在を含みます。
図 4-2やんばる地域の消費額分布(n=447)
| 指標 | 平均 | 中央値 |
|---|---|---|
| 滞在日数(訪日全体) | 14.97日 | 7日 |
| 滞在予算(訪日全体) | ¥743,354 | ¥156,800 |
| 宿泊予算(訪日全体) | ¥176,183 | ¥53,050 |
CAUTION
滞在予算の平均値は高額な外れ値の影響を強く受けており(平均が中央値の約4.7倍)、水準の把握は中央値ベースが妥当です。訪日全体の滞在中央値7日に対し、やんばる地域の平均宿泊は3.38泊 — 訪日旅程の相応の部分をやんばるが占めております(インバウンド版の消費額・予算は実数値回答のため換算不要)。図 4-3国籍別 平均消費額(円)
香港¥114,130が突出。最多の台湾は¥53,266と中位で、来訪者数と消費単価の担い手が分かれております。
POINT
後半は平均泊数が+0.49泊伸びた一方、消費額は横ばいでした。滞在の長期化が消費増につながっていないことが今回の総括で明確になり、連泊者向けの体験・飲食の受け皿づくりが次の論点です。問い:何が評価され、何に困っているか。
満足率は92.6%(大変満足55.0%+満足37.6%)、不満は1件(0.2%)のみで、絶対水準は非常に高い状態です。NPSは+57.3(推奨者62.0%・中立33.3%・批判者4.7%)。月次で見ますと、2025年11月〜2026年2月は+60前後で安定していた一方、2026年6月以降は+42〜+55とやや低い水準で推移しており、後半の軟化傾向と整合しております。
図 5-1体験・サービス満足度の分布(n=447)
図 5-2NPSの月次推移(2025年10月〜2026年8月)
回答数が12件未満の月(2026年3月 n=4・4月 n=11)は参考のためプロットを省略しております。
| 月 | 回答数 | 平均泊数 | 平均消費額 | NPS | 満足率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025-10 | 47 | 3.11 | ¥109,426 | +59.6 | 85.1% |
| 2025-11 | 61 | 3.62 | ¥68,583 | +62.3 | 98.4% |
| 2025-12 | 56 | 3.63 | ¥69,042 | +48.2 | 96.4% |
| 2026-01 | 62 | 3.55 | ¥67,207 | +61.3 | 96.8% |
| 2026-02 | 70 | 2.46 | ¥61,046 | +61.4 | 92.9% |
| 2026-03(参考 n=4) | 4 | 1.00 | ¥30,680 | 参考 | 参考 |
| 2026-04(参考 n=11) | 11 | 3.73 | ¥36,949 | 参考 | 参考 |
| 2026-05 | 41 | 5.32 | ¥98,106 | +63.4 | 85.4% |
| 2026-06 | 38 | 2.71 | ¥49,257 | +47.4 | 86.8% |
| 2026-07 | 22 | 2.86 | ¥90,074 | +54.5 | 95.5% |
| 2026-08 | 35 | 3.46 | ¥66,619 | +42.9 | 91.4% |
月別の回答数は4〜70件と変動が大きく、n<12の月は個別の百分率算出を避け参考値としております。
改善点「ある」は21.5%(96件、前半22.3%→後半19.7%)。自由記述(有効53件抜粋の目視分類)では、「道路・標識・照明」(標識の摩耗・夜間照明の不足・ハイビーム問題など)と「二次交通」(バスの運行頻度・シャトル不在・IC カード非対応など)で半数近くを占めます。飲食の営業時間(夕食難民)、多言語対応・情報発信への指摘も継続的にあります。
図 5-3改善要望の内容分類(自由記述53件の目視分類・目安)
POINT
評価の絶対水準は高い一方、後半の軟化は交通体験(第3章)・改善要望の内容と方向が一致しております。「体験は最高、たどり着くまでと夜が課題」という構図が、11ヶ月を通じたインバウンドの声の要約です。問い:どの地域が、どんな役割を担っているか。
回答数は恩納村112件(25.1%)・本部町95件(21.3%)・国頭村82件(18.3%)・名護市76件(17.0%)の4市町村で8割超を占めます。国頭村は平均4.51泊と長期滞在の拠点として機能し、消費の中央値では本部町・東村(各5.0万円)、今帰仁村(7.0万円・n=11参考)が上位です。
恩納村
本部町
国頭村
名護市
図 6-1市町村別 平均宿泊日数(n≧10の市町村)
| 市町村 | 件数 | 平均泊数 | 消費額中央値 | 平均推奨度 |
|---|---|---|---|---|
| 恩納村 | 112 | 3.17 | ¥30,000 | 8.67 |
| 本部町 | 95 | 3.12 | ¥50,000 | 8.88 |
| 国頭村 | 82 | 4.51 | ¥30,682 | 8.77 |
| 名護市 | 76 | 2.96 | ¥45,360 | 8.96 |
| 金武町 | 21 | 2.67 | ¥20,000 | 8.67 |
| 東村 | 13 | 3.77 | ¥50,000 | 8.77 |
| 宜野座村 | 11 | 2.82 | ¥15,000 | 8.91 |
| 今帰仁村 | 11 | 3.82 | ¥70,000 | 9.36 |
| 大宜味村(参考) | 8 | 1.13 | ¥17,850 | 9.00 |
| 伊江村(参考) | 6 | 7.33 | ¥15,941 | 9.67 |
| 伊是名村(参考) | 2 | 4.00 | ¥63,623 | 8.50 |
| 調査地点未設定 | 10 | 2.70 | ¥33,976 | 9.00 |
POINT
「玄関口の恩納村・消費の本部町・長期滞在の国頭村・都市機能の名護市」という役割分担は11ヶ月を通じて一貫しております。今帰仁村は件数こそ少ないものの消費中央値・推奨度とも高く(n=11参考)、伸びしろのある市村です。問い:次に何を実行するか。
| # | 課題名 | 根拠となる主要数値 | 主担当 |
|---|---|---|---|
| 1 | 「訪日リピーター×やんばる初訪問」56.8%への到達 | 254件が該当。やんばる初訪問は全体の66.4% | DMO・観光協会 |
| 2 | 道路・二次交通の環境改善 | 交通満足以上率77.6%(前半→後半▼3.2pt)。改善要望の約半数が道路・交通系 | 自治体 |
| 3 | 滞在の長期化を消費に変える | 後半泊数+0.49泊でも消費横ばい。1万円以下層21.3% | 事業者 |
未開拓の訪日リピーターへの多言語送客
道路・二次交通インフラの多言語整備
夜と連泊の消費機会づくり
NEXT
本レポートは今号が初回配信(創刊号)です。次回は2026年9月以降の期間集計(3〜6ヶ月)として発行を予定しており、満足率・NPSの後半軟化が続くか、交通満足度が回復するか、JUNGLIA効果が顕在化するかの3点を継続観測いたします。問い:レポートの先を、自分の目で確かめるには。
本レポートの元データ「やんばるハッピーアンケート(インバウンド)」は、下記のダッシュボードでインタラクティブに閲覧できます。期間・国籍・市町村などをご自身で絞り込みながら、本レポートに載せきれなかった詳細をご確認ください。
| 指標 | 算出方法 | 出典設問 |
|---|---|---|
| 有効回答数 | 回答IDのユニーク件数(COUNTD) | 回答id |
| 満足率 | (大変満足+満足)÷有効回答数 | Q22 体験・サービス満足度 |
| NPS | 推奨者割合(9-10点)-批判者割合(0-6点) | Q24 推奨度 |
| やんばる地域の宿泊率 | 宿泊日数>0の件数÷有効回答数 | Q16 宿泊日数(やんばるエリア) |
| 訪日リピーター×やんばる初訪問 | 訪日回数が「初めて」以外、かつ、やんばる訪問回数が「初めて」の件数÷有効回答数 | Q6・Q18 |
| やんばる継続率(参考値) | やんばるでの目的言及件数÷沖縄県全体での目的言及件数(件数比) | Q7・Q9 |
消費額(Q17)・予算(Q4/Q5)・世帯年収(Q31)は、回答者の申告通貨(USD/KRW/HKD/EUR等)をデータ取得時点で日本円に換算済みの実数値フィールドをそのまま集計しております(レンジ回答の中点換算は不要)。
| チェック項目 | 結果 | 対応 |
|---|---|---|
| 月別回答数の変動 | 最少4件(2026年3月)〜最多70件(2026年2月) | n<12の月は個別の百分率算出を避け参考値として扱う |
| 消費額の外れ値 | 12泊・消費額1円など入力に疑義のある回答が少数存在 | 平均への影響は限定的だが、消費額は中央値を併記して解釈する |
| 年代の特定不能 | 生年の回答から年代を特定できない回答が2件 | 年代グラフから除外(他の集計には含む) |
REFERENCE
データソース:「やんばるハッピーアンケート(インバウンド)」。本レポートについて