YANBARU TOURISM MONTHLY REPORT — DOMESTIC SURVEY

Yam-D-AI分析レポートβ版(国内アンケート)2026年8月分

夏休み最盛期の8月、やんばるは子連れ家族が主役の1ヶ月となりました。7月に大きく落ち込んでいた初回来訪者の再訪意向は8月に急回復し、NPSは+58.5と高い水準に達しています。一方、月内に襲来した台風の影響が改善要望に色濃く表れており、台風時の情報発信が新たな課題として浮上しました。

対象期間
2026年8月1日〜8月31日
比較期間
2026年7月1日〜7月31日
有効回答
648件(比較期間 694件)
データソース
「やんばるハッピーアンケート(国内)」
発行
沖縄やんばるDMO

01 EXECUTIVE SUMMARY

初回客の再訪意向が急回復し、NPSは+58.5へ。8月は子連れ家族が主役となった。

有効回答数

648

前月比 ▲46件(▲6.6%)

満足以上率(大変満足+満足)

90.3%

+1.0pt(大変満足 52.9%)

NPS(推奨度)

+58.5

+5.2pt(推奨65.7% / 批判7.3%)

初回客「必ず来たい」率

70.8%

+17.5pt(前月53.3%から急回復)

子連れ家族率

54.3%

+21.9pt(前月32.4%)

一人当たりやんばる地域内消費額

92,812

+6.2%(前月 87,413円)

やんばる地域内 宿泊率

65.4%

▲2.0pt(宿泊 424件)

平均泊数(全回答者ベース)

1.81

+0.13泊(宿泊者のみでは2.77泊)

本レポートは今回が初回の配信です。文中の「前月比」は、同一アンケートの2026年7月回答データ(694件)と比較した値です。2026年8月の有効回答は648件で、回答数は前月比▲6.6%とやや減少しましたが、満足以上率90.3%(+1.0pt)・NPS+58.5(+5.2pt)・一人当たりやんばる地域内消費92,812円(+6.2%)と、質の指標は軒並み改善しています。とりわけ7月に急落していた「初回来訪者の再訪意向」は、8月に大きく回復し、懸念はいったん解消したと判断できます。一方で、月内に沖縄本島へ接近した台風の影響が自由記述に色濃く表れ、宿泊率も65.4%(▲2.0pt)と微減しました。

今月の重要な発見 3点

DATA① 7月に起きていた「初回客の再訪意向急落」は、8月に解消した。初回来訪者の「必ず来たい」率は53.3%→70.8%(+17.5pt)へ急回復し、初回客のNPSも+40.0→+55.7へ上昇。7月の落ち込みは繁忙期序盤の一時的な現象だった可能性が高い状況です(詳細は第5章)。
DATA② 8月は「子連れ家族の月」。属性・目的・消費のすべてが家族型に振れた。同行者の54.3%が子連れ家族(前月32.4%)、年代は40代が34.0%で最多。訪問目的では美ら海水族館が36.6%(+8.3pt)へ急伸し、家族層の一人当たり消費11.3万〜12.3万円がパートナー層(6.5万円)を大きく上回って、やんばる地域内消費全体を+6.2%押し上げました(第2・3・4章)。
DATA③ 台風対応と暑さが、新たな改善テーマとして浮上した。改善要望174件のうち、台風関連(復旧の遅れ・遊泳可否や休業情報の告知不足)が約12件、暑さ・トイレ環境が約12件と、いずれも今月新たにまとまった量で出現しています。従来からの飲食店不足(約20件)・二次交通(約18件)と並ぶ規模です(第5・7章)。

検討事項

  1. 台風時の営業・遊泳・運休情報を一元発信する仕組みを、台風シーズン中の9月に立ち上げるか。「事前に知っていれば避けられた」型の不満が複数確認されており、情報発信だけで解消できる余地が大きい可能性があります。
第 2 章

やんばるを訪れている観光客

問い:誰がやんばるを訪れているか。

8月の回答者は40代(34.0%)を中心とする子連れ家族が主役でした。同行者は未就学児・小学生・中学生以上を含む家族の合計が352件(54.3%)と過半数を占め、前月(32.4%)から21.9pt増加しています。前月最多だったパートナー同伴は20.5%(前月37.0%)へ後退し、夏休み最盛期らしい構成の入れ替わりが起きました。性別は女性が60.0%です。

図 2-1年代構成(2026年8月・n=648)

図 2-2同行者構成(2026年8月・n=648)

子連れ家族(未就学児・小学生・中学生以上の合計)は54.3%。前月は32.4%でした。

詳細データを見る(居住地・世帯年収・主要セグメント5類型)

図 2-3居住地(都道府県)上位10(2026年8月・n=648・単位件)

沖縄県203件(31.3%)が最多。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の合計は177件(27.3%)です。

表 2-1|世帯年収の分布(2026年8月・n=648)
年収帯件数構成比
100万円未満162.5%
100-200万円未満223.4%
200-300万円未満467.1%
300-400万円未満6510.0%
400-600万円未満10315.9%
600-800万円未満10516.2%
800-1000万円未満6710.3%
1000-1200万円未満599.1%
1200-1500万円未満467.1%
1500-2000万円未満314.8%
2000万円以上233.5%
答えられない6510.0%

ボリュームゾーンは400〜800万円未満(32.1%)で前月と同様ですが、1000万円以上の合計が24.5%(159件)と厚みがあり、家族旅行の高単価消費(第4章)を支えている可能性があります。

主要セグメント5類型(居住地×宿泊有無×訪問回数)

648件を、居住地(県内/県外)×やんばる地域内宿泊の有無×訪問回数の3軸で重複なく5類型に分類しました。8月はA(県外・宿泊・リピーター)の構成比が42.1%→37.8%へ低下する一方、E(県内・宿泊)が13.2%→18.8%へ拡大し、県内在住者の「夏休みのやんばる地域内ステイ」が増えたことがうかがえます。

SEGMENT A

県外・宿泊・リピーター

245件(37.8%)

やんばる地域内消費
149,071円/人(全体平均の1.61倍)
平均泊数
3.42泊
NPS
+70.6(5類型で最高)

SEGMENT B

県外・宿泊・初回

57件(8.8%)

やんばる地域内消費
133,772円/人
平均泊数
2.77泊
NPS
+56.1

SEGMENT C

県外・やんばる非宿泊

143件(22.1%)

やんばる地域内消費
45,192円/人
平均泊数
やんばる地域内0泊
NPS
+47.6

SEGMENT D

県内・日帰り

81件(12.5%)

やんばる地域内消費
18,117円/人(最小)
平均泊数
やんばる地域内0泊
NPS
+46.9

SEGMENT E

県内・宿泊

122件(18.8%)

やんばる地域内消費
66,107円/人
平均泊数
1.48泊
NPS
+55.7(前月から拡大した層)

POINT

8月は子連れ家族(54.3%)と40代(34.0%)が主役の「ファミリー月間」でした。県内在住者の宿泊滞在(セグメントE)も13.2%→18.8%へ拡大しており、夏季は「県外ファミリー」と「県内ステイ」の二本柱で需要が構成されています。ファミリー向けの体験・混雑回避情報・子連れ対応の飲食案内が、最も効果的に効くタイミングです。
第 3 章

来訪目的・情報収集・周遊行動

問い:なぜ来て、どう情報を集め、どう回っているか。

首位は変わらず「食」。8月に急伸したのは美ら海水族館だった

訪問目的(複数回答)の首位は「地元の美味しいものを食べる」51.4%で前月と同様です。8月に最も伸びたのは美ら海水族館の36.6%(前月28.2%、+8.3pt)で、順位も5位→3位へ上昇しました。ビーチ・海水浴も39.4%(+5.1pt)と伸びており、いずれも子連れ家族の増加(第2章)と整合的です。JUNGLIAは10.6%(前月8.6%)と初めて1割を超えました。一方、名所・旧跡の観光は20.8%(▲7.3pt)へ低下しています。

図 3-1訪問目的 上位10(複数回答・2026年8月 n=648・単位%)

複数回答のため合計は100%を超えます。%は有効回答648件に対する割合です。

詳細データを見る(情報収集チャネル・周遊フロー・交通手段)

情報収集:生成AIが9.3%へ上昇、Instagram・YouTubeは低下

情報源の首位はインターネット・アプリ40.0%です。注目すべきは「Chat GPT等の生成AI」が60件(9.3%)と、前月の38件(5.5%)から件数で約1.6倍に増えた点で、初めて1割弱に達しました。一方、Instagramは26.4%(▲4.7pt)、YouTubeは16.2%(▲5.0pt)と動画・SNS系が低下しており、旅行前の情報行動に変化の兆しがあります。

図 3-2旅行前の情報収集チャネル 上位10(複数回答・2026年8月 n=648・単位%)

生成AIは8月60件/7月38件(実数)。宿泊施設での情報収集も27件→46件へ増加しています。

周遊:入口はなかやんばる、ただし「訪問後 特になし」が73件→139件へ急増

訪問前のエリアは、なかやんばる(名護市・本部町・今帰仁村)178件(27.5%)が最多で、周遊ハブとしての役割は前月と変わりません。一方、回答後に「特になし(どこにも行かない)」とした人が139件(21.5%)と、前月の114件(16.4%)からさらに増加しました。回答地点で旅程を終える「終端化」の傾向が2ヶ月連続で強まっています。

表 3-1|エリア別 周遊の出入り(2026年8月・n=648・単位件)
エリア訪問前(流入元)訪問後(流出先)差(後−前)周遊上の性格
なかやんばる(名護・本部・今帰仁)178159−19入口・出口の両方で最大の周遊ハブ
うふやんばる(国頭・大宜味・東)11684−32入口としては前月比増、送り出しが細い
門口やんばる(金武・宜野座・恩納)6855−13入口として機能、送り出しは未確立
島やんばる(伊江・伊是名・伊平屋)1926+7滞在完結型
特になし73139+66回答地点が旅程の終端になっている

出所:Q22(回答前に訪問したエリア)/Q23(回答後に訪問予定のエリア)。中部110→80件・南部64→79件(県外流出入)は表から省略しています。

交通手段:やんばる地域内移動の96%が自動車

表 3-2|やんばるまでの交通手段(複数回答・上位)
手段件数
レンタカー399
自家用車217
路線バス・高速バス等30
フェリー14
タクシー10
表 3-3|やんばる地域内での交通手段(複数回答・上位)
手段件数
レンタカー395
自家用車228
徒歩23
路線バス19
タクシー15

やんばる地域内交通はレンタカー395件+自家用車228件で、自動車利用は延べ623件(回答者数比96.1%)に上ります。路線バスは19件(2.9%)にとどまり、自動車依存の構造は前月から変わっていません。

REFERENCE

生成AI経由の情報収集(60件・9.3%)は、観光協会HP(54件・8.3%)を今月初めて上回りました。生成AIが参照しやすい形での公式情報の整備(営業時間・料金・アクセスの構造化)は、中期的な情報発信の論点になる可能性があります。
第 4 章

宿泊・滞在・観光消費

問い:滞在は宿泊と消費につながっているか。

やんばる地域内宿泊率は65.4%(▲2.0pt)と微減した一方、宿泊する人の滞在は長期化し、平均泊数は全回答者ベースで1.81泊(+0.13泊)、宿泊者のみでは2.77泊(前月2.49泊)に伸びました。一人当たりやんばる地域内消費は92,812円(+6.2%)で、費目別では飲食費(+11.5%)と観光費(+11.5%)の伸びが大きく、家族層の体験・飲食需要が単価を押し上げています。

図 4-1やんばる地域内宿泊数の分布(2026年8月・n=648)

非宿泊は224件(34.6%)。7泊以上は31件と前月(19件)から増加しました。

図 4-2費目別 一人当たり消費額の前月比較(単位円・中点換算)

詳細データを見る(費目別内訳・セグメント別/同行者別消費・宿泊地別延べ泊数)
表 4-1|費目別 平均・前月比(単位:円)
費目今月 平均前月 平均前月比
宿泊費42,35041,156+2.9%
飲食費19,61417,597+11.5%
観光費(体験含む)19,14717,172+11.5%
買物・土産費11,70111,488+1.9%
やんばる地域内 合計92,81287,413+6.2%
表 4-2|主要セグメント別 消費額・泊数(2026年8月・n=648)
セグメント件数構成比やんばる地域内消費計平均泊数全体平均比
A 県外・宿泊・リピーター24537.8%149,071円3.42泊1.61倍
B 県外・宿泊・初回578.8%133,772円2.77泊1.44倍
E 県内・宿泊12218.8%66,107円1.48泊0.71倍
C 県外・やんばる非宿泊14322.1%45,192円やんばる地域内0泊0.49倍
D 県内・日帰り8112.5%18,117円やんばる地域内0泊0.20倍
全体648100%92,812円1.81泊1.00倍
表 4-3|同行者別 消費額・泊数(2026年8月・n≧30の主要区分)
同行者件数やんばる地域内消費計平均泊数
中学生以上を含む家族98123,418円2.06泊
未就学児を含む家族113117,854円2.32泊
小学生を含む家族141112,837円1.96泊
パートナー(恋人・夫婦など)13365,263円1.46泊
友人4240,952円1.26泊

子連れ家族の一人当たり消費は11.3万〜12.3万円で、パートナー層(6.5万円)の1.7〜1.9倍に達します。8月の消費増(+6.2%)は、この高単価な家族層が構成比で過半数(54.3%)を占めたことによるところが大きい状況です。

宿泊地:本部町への集中がさらに強まる

表 4-4|宿泊地別 延べ宿泊数(2026年8月・延べ1,176泊)
宿泊地延べ泊数構成比
本部町(美ら海水族館・瀬底島周辺)42235.9%
恩納村(万座毛・青の洞窟周辺)18615.8%
名護市①(名護市街・カヌチャ周辺)17114.5%
今帰仁村(古宇利島・今帰仁城跡周辺)1099.3%
国頭村(辺戸岬・オクマ周辺)978.2%
伊江村(伊江島)514.3%
名護市②(ブセナリゾート周辺)494.2%
その他6村(大宜味・東・伊平屋・伊是名・金武・宜野座)917.7%

出所:Q35(宿泊順×宿泊地)。1泊目〜7泊目の各回答を合算した延べ数。上位3エリア(本部町・恩納村・名護市①)で66.2%を占め、本部町単独の構成比は前月の30.2%から35.9%へ上昇しました。

CAUTION

消費額はレンジ選択式回答の中点換算による推計値です。実額POSデータとの突合は行っていないため、水準そのものよりも前月比・構成比の変化を重視してご覧ください。

POINT

「宿泊の有無」と「子どもの有無」が単価を決める構図は前月と同じですが、8月はその高単価側(子連れ×宿泊)に客層が大きくシフトしました。宿泊は本部町への集中が強まっており(延べ泊数の35.9%)、混雑分散の観点では今帰仁村・国頭村など周辺への宿泊誘導が論点になります。
第 5 章

満足度・NPS・観光客の声

問い:何が評価され、何に困っているか。

満足以上率は90.3%(大変満足52.9%+満足37.3%)と初めて9割に乗り、NPSも+58.5(+5.2pt)と改善しました。不満系の回答はやや不満5件のみで、不満・大変不満は0件です。そして今月最大のトピックは、7月データで急落していた初回来訪者の再訪意向が急回復したことです。

図 5-1体験・サービス満足度の分布(2026年8月・n=648)

図 5-2NPS構成(推奨度0-10・n=648)

NPS=推奨者65.7%−批判者7.3%=+58.5(前月+53.3)

初回客の「必ず来たい」率が53.3%→70.8%へ急回復 — 7月の落ち込みは解消

表 5-1|初回来訪者 vs リピーターの推奨・再訪指標(2026年8月/前月)
セグメント件数NPS(今月)NPS(前月)「必ず来たい」率(今月)同(前月)
初回来訪者106+55.7+40.070.8%53.3%
リピーター(2回目以上)542+59.0+56.575.5%78.2%

初回客のNPSは+55.7と、リピーター(+59.0)との差が3.3ptまで縮小しました(前月は16.5pt差)。7月の落ち込みは夏休み序盤の混雑期に固有の一時的な現象だった可能性が高いものの、断定はせず、9月以降も初回客セグメントの3指標(満足度・NPS・再訪意向)を定点観測してまいります。

詳細データを見る(改善要望の内訳・代表コメント)

改善事項:台風対応・暑さ対策が新規テーマとして出現

改善点「ある」は174件(26.9%)と前月(28.4%)から低下しました。内容面では、従来からの飲食店不足・営業時間(約20件)、二次交通・公共交通(約18件)、渋滞・交通混雑(約14件)に加え、今月は台風関連(復旧の遅れ・運休/休業情報の告知不足、約12件)と暑さ・トイレ環境(約12件)が新たにまとまった量で出現しました。道路標識・路面標示のかすれへの指摘も約13件と前月(約9件)から増えています。一方、前月に新規出現した自然環境・開発懸念は約5件と半減しました。

図 5-3改善要望に含まれる語(自由記述・改善点「ある」174件・単位件)

改善点の内容(自由記述)をキーワードで目視分類した目安の件数であり、厳密な形態素解析による分類ではありません。

代表コメント

評価されている点(推奨理由・Q19)と、改善が求められている点(Q21)から、8月の傾向を代表するコメントを抜粋します。

評価されている点

  • 「リゾート地から、ローカル感満載のところまで、海だけでなく、川遊びもできるところ。」推奨理由/国頭村・推奨度9
  • 「自然が豊富で、適所にレジャー施設もあり家族旅行に適している」推奨理由/本部町・推奨度10
  • 「熱帯ドームセンターと公園内の遊覧バス。水族館だけではなく、園内には子供の遊び場が多くあることが分かったので、次回は涼しい時期にピクニックを兼ねて遊びに行きたい。」推奨理由/本部町・推奨度10
  • 「美ら海水族館のでかい水槽に感動した」推奨理由/金武町・推奨度10
  • 「やんばるの自然 キャンプは最高 晴れたら星空も最高」推奨理由/名護市・推奨度10

改善が求められている点

  • 「エメラルドビーチで泳ごうとしたところ、台風の影響でくらげネットを張っていないため遊泳禁止と警備員さんに教えてもらった。事前にホームページに大きく分かりやすく情報を書いておいてほしかった。」改善点/台風時の情報発信
  • 「観光地はすごく暑くて、熱中症の心配がありました。途中にミストエリアや給水スポットをもう少し増やして欲しいと思いました。」改善点/暑さ対策・本部町
  • 「本部港から徒歩圏内のレンタカーの返却所がないこと。レンタカーをフェリーに乗せなければならず、かなり前からの予約が必要になります。」改善点/二次交通・伊江村ルート

すべて匿名化のうえ原文の要旨を掲載しています。出所:Q19 推奨項目・Q21 改善点の内容(2026年8月分の回答原文より直接取得)。

POINT

満足度・NPS・初回客の再訪意向がそろって改善した良い月でした。ただし改善要望の中身は「台風時の情報」「暑さ」という季節・気象要因へ入れ替わっており、放置すると来年夏に同じ不満が再生産されます。声が新鮮なうちに、第7章の対応策へつなげることを推奨します。
第 6 章

市町村・エリア別の特徴

問い:どの地域が、どんな役割を担っているか。

本章は市町村を「良い・悪い」で順位づけせず、役割で整理します。8月は調査地点の構成が動き、本部町(160件)が回答数最多となりました(前月最多の恩納村は102件)。特筆すべきは名護市で、一人当たり消費が66,911円→99,770円、NPSが+47.2→+57.4と、前月「伸びしろ最大」とした指標が大きく改善しています。

役割別に見た市町村(回答数上位・n≧30)

宿泊拠点・最多回答

本部町(n=160)

要点
宿泊率71.3%・消費103,391円・NPS+65.0。延べ泊数の35.9%が集中する8月の宿泊中心地。一方で渋滞・遊泳情報など台風/混雑系の改善要望も最多です。
周遊ハブ・今月大幅改善

名護市(n=141)

要点
消費99,770円(前月66,911円)・NPS+57.4(前月+47.2)と大幅改善。11回目以上が30.5%とリピーター基盤も厚く、周遊ハブから「稼げる拠点」へ変化の兆しがあります。
初回客の入口

恩納村(n=102)

要点
初回率28.4%は主要市町村で最高(全体16.4%)。8月の初回客の玄関口です。回答数は前月168件→102件へ減少しており、調査地点の稼働状況の確認を推奨します。
自然体験・長め滞在

国頭村(n=82)

要点
平均1.85泊と本部町に次ぐ長さで、初回率22.0%と新規客の受け皿も担います。台風後の道路復旧・標識への要望が集中した地域でもあります。
詳細データを見る(市町村別グラフ・KPI一覧表)

図 6-1市町村別 回答数(2026年8月・n=648・単位件)

「-」=訪問地未設定8件(1.2%)。宜野座村は前月2件→25件へ増加しており、調査地点の追加・変更が影響している可能性があります。

表 6-1|市町村別 主要KPI一覧(2026年8月・n≧30の7市町村)
市町村回答数宿泊率平均泊数やんばる地域内消費計満足度スコアNPS初回率11回目以上率
本部町16071.3%1.98103,391円6.46+65.018.1%17.5%
名護市14161.7%1.6199,770円6.31+57.411.4%30.5%
恩納村10262.7%1.4392,647円6.31+54.928.4%27.5%
国頭村8257.3%1.8589,543円6.37+56.122.0%25.6%
伊江村3783.8%2.5981,351円6.46+67.65.4%37.8%
今帰仁村3360.6%2.2166,970円6.45+54.53.0%42.4%
大宜味村3060.0%1.5754,583円6.40+46.76.7%50.0%
全体64865.4%1.8192,812円+58.516.4%28.4%

満足度スコアはQ16を7点満点に換算した平均値です。n<30の宜野座村(25件・NPS+36.0)・金武町(11件)・伊是名村(9件)・伊平屋村(6件)・東村(4件)は参考値のため一覧から割愛しました。

POINT

伊江村はNPS+67.6・宿泊率83.8%・平均2.59泊と滞在の質が際立つ一方、「本部港周辺にレンタカー返却拠点がない」という具体的なアクセス不満が複数寄せられました(第5章)。滞在満足度が高いだけに、入口のボトルネック解消の効果が大きい地域です。大宜味村はNPS+46.7と主要市町村で最も低く、11回目以上率50%のヘビーリピーター型ながら新規客への訴求が課題です。
第 7 章

重点課題と施策提案

問い:次に何を実行するか。

7月データとの比較で最大の懸念だった「初回客の再訪意向低下」は、8月データで回復が確認できたため重点課題には含めず、8月に新たに出現した課題を中心に3件へ絞り込みました。根拠数値はいずれも本レポート内で出典を明示した実測値です。

表 7-1|重点課題の概要
#課題名根拠となる主要数値主担当
1台風時の観光情報発信・復旧対応(新規)台風関連の改善要望 約12件(遊泳可否・休業・運休の告知不足、復旧の遅れ)DMO・観光協会・事業者
2猛暑下の受け入れ環境(新規)暑さ・トイレ環境への要望 約12件(給水・ミスト・トイレの暑さ)行政・施設管理者
3道路標識・路面標示のかすれ(再燃)標識・案内・白線への指摘 約13件(前月 約9件から増加)行政(道路管理者)

課題1|台風時の営業・遊泳・運休情報を一元発信する

根拠を見る(データ・示唆)
DATA改善要望174件のうち台風関連が約12件。「くらげネット未設置による遊泳禁止を現地で初めて知った」「台風後の施設休業を早めに告知してほしい」「購入済みチケットが休業で無効になった」など、被害そのものより「事前に知らされなかったこと」への不満が中心です(第5章)。
INSIGHT台風は避けられませんが、情報起因の不満は発信の仕組みで解消可能です。宿泊率▲2.0ptの一部も台風による日程短縮の影響と考えられ、正確な復旧情報は機会損失の回復にも直結します。
ACTION What:台風接近時〜通過後の「遊泳可否・施設営業・交通運休・道路状況」を一元的に発信する導線を作る。
How:既存の公式サイト・SNSに台風時専用の更新枠を設け、主要施設(水族館・ビーチ・フェリー)の状況を1ページに集約。事業者へは休業時のチケット払い戻し/振替の案内掲出を働きかける。
Who:DMO・観光協会(発信)+主要施設・交通事業者(情報提供)。When:9月中(台風シーズン中)に暫定運用開始。
KPI:台風関連の改善要望 約12件→次の台風月で半減。

課題2|猛暑下の受け入れ環境(給水・日陰・トイレ)を点検する

根拠を見る(データ・示唆)
DATA「熱中症の心配」「ミストエリア・給水スポットが欲しい」「道の駅などのトイレが夏は暑すぎる」など、暑さ・トイレ環境への要望が約12件。子連れ家族が54.3%を占めた月だけに、暑さへの耐性が低い層の声と考えられます(第2・5章)。
HYPOTHESISファミリー比率が高い7〜8月に不満が集中する季節性の課題であり、来夏までに整備すれば繰り返しを防げる可能性があります。
ACTION What:主要観光地点の暑熱対策(給水・日陰・トイレの換気/清潔)を点検し、優先整備箇所を特定する。
How:要望が挙がった地点(本部町・大宜味村・今帰仁村の道の駅/観光施設等)から巡回点検を開始し、自販機・ミスト・簡易日除けなど低コスト施策を先行導入する。
Who:行政・施設管理者+観光協会。When:9〜10月に点検、来夏前(2027年5月)までに整備。
KPI:暑さ・トイレ関連の言及 約12件→来年7-8月に半減。

課題3|道路標識・路面標示のかすれに対応する

根拠を見る(データ・示唆)
DATA「交差点の案内板がどれもハゲて見えない」「センターラインが消えている」「海風で標識が消えている」など約13件(前月約9件から増加)。やんばる地域内移動の96.1%が自動車であるため(第3章)、運転環境の不備は満足度に直結します。
INSIGHT指摘は本部町・国頭村・恩納村など広域に分散しており、個別対応より道路管理者への一括要望が効率的です。
ACTION What:かすれ・視認性不良の標識/路面標示を洗い出し、道路管理者へ補修を一括要望する。
How:自由記述で挙がった地点をリスト化し、市町村・県土木事務所へ写真付きで提出。次回以降のアンケートで言及箇所を継続収集する。
Who:行政(道路管理者)+DMO(とりまとめ)。When:10月までにリスト提出。
KPI:標識・路面標示関連の言及 約13件→減少傾向へ。

主体別アクション

DMO・観光協会

台風時の情報発信と、家族需要の刈り取り

  • 台風時情報の一元発信(課題1):9月中に暫定運用を開始し、主要施設の営業・遊泳・運休情報を1ページに集約することを推奨します。
  • ファミリー向け導線の強化:子連れ54.3%・家族消費11〜12万円の実績を踏まえ、子連れで入りやすい飲食店の案内(第5章で要望あり)や美ら海水族館周辺の混雑回避情報の発信を推奨します。
  • 生成AI対応の情報整備:生成AI経由の情報収集が9.3%(60件)へ伸びており、営業時間・料金等の公式情報を構造化して発信する検討の開始を推奨します。
行政

暑熱対策・標識補修・二次交通の継続

  • 暑熱対策の点検(課題2):要望地点の給水・日陰・トイレを9〜10月に点検し、来夏前までに整備することを推奨します。
  • 標識・路面標示の補修(課題3):かすれ箇所リストを10月までに道路管理者へ提出することを推奨します。
  • 二次交通の継続検討:要望は約28件→約18件へ減少しましたが依然として最多級です。伊江島ルートのレンタカー返却拠点問題(複数件)など具体論点も出ており、継続的な検討を推奨します。
地域事業者(宿泊・飲食・体験・物販)

家族層の飲食・体験需要を取り込む

  • 飲食の受け皿拡大:飲食費+11.5%の一方、「夕食を食べられる店が少ない」「15時台に開いている店がない」等の声が約20件寄せられています。営業時間の見直しと子連れ対応の明示を推奨します。
  • 台風時の顧客対応:休業時のチケット振替・払い戻し案内を事前に整備し、「無効になった」型の不満を防ぐことを推奨します。
  • 観光費+11.5%の追い風活用:家族向け体験メニューの造成と、宿泊施設内での案内強化(宿泊施設経由の情報収集が27→46件へ増加)を推奨します。

NEXT

9月レポートでは、①台風時情報発信の運用開始状況、②初回客の再訪意向が回復水準(70%台)を維持できているか、③夏休み明けの客層転換(家族→どの層へ戻るか)と消費水準の推移、を重点的に確認します。
第 8 章

詳細ダッシュボード

問い:最新のデータをどこで確認できるか。

本レポートの元データは、下記のダッシュボードからご覧いただけます。期間や市町村を切り替えて、最新の回答状況を確認できます。

DASHBOARD

国内アンケート 詳細ダッシュボードを開く →
外部サイトに接続します。表示には少し時間がかかる場合があります。
参考資料

算出定義とデータ品質

詳細を見る(KPIの算出定義・金額の算出方法・データ品質の注記)

KPIの算出定義

表 R-1|主要KPIの定義
指標算出方法出典設問
有効回答数回答IDのユニーク件数(COUNTD)回答id
満足以上率(大変満足+満足)÷有効回答数体験・サービス満足度設問
NPS推奨者割合(9-10点)-批判者割合(0-6点)推奨度設問(0-10)
平均泊数宿泊数選択肢の代表値×件数の加重平均(「7泊以上」は7として計算)宿泊数設問
やんばる地域内消費額費目別レンジ回答の中点換算値の合計平均宿泊費・飲食費・観光費・土産費設問

金額の算出方法

消費額(費目別)はレンジ選択式回答の中点換算により算出しています(例:「10,000円以上20,000円未満」→15,000円)。最上位レンジ「200,000円以上」は250,000円で換算しているため、高額層の消費は過小評価されている可能性があります。

前月(比較期間)の値について

本レポートの前月(2026年7月)比較値は、レポート作成時点の最新データで集計した値です。アンケート回答は事後の追加登録により件数が変動することがあるため(7月分は集計時点で694件)、将来別の時点で再集計した場合はわずかな差が生じる可能性がありますが、傾向の解釈に影響はありません。

REFERENCE

データソース:「やんばるハッピーアンケート(国内)」。
集計方法:回答IDのユニーク件数(COUNTD)を用いて直接集計。
抽出条件:回答日時フィールドで対象期間(2026年8月1日〜8月31日)を絞り込み。元データ件数と分析件数の一致を確認済み(648件=648件、2026年9月1日抽出)。

本レポートについて

調査目的
やんばる地域を訪れた国内観光客の属性・行動・消費・満足度を継続的に把握し、地域事業者・行政・観光協会・DMOの施策検討に用いる。
発行について
本レポートは2026年8月分を初回とする月次レポートです。比較値には同一アンケートの2026年7月回答データを用いています。
対象期間
2026年8月1日〜8月31日(比較期間:2026年7月1日〜7月31日)
調査対象
やんばる地域内の調査地点で回答した国内居住の観光客。インバウンド(訪日外国人)は別データセットのため本レポートの対象外。
調査方法
調査地点でのWebアンケート(自記式)。設問は単一回答・複数回答・自由記述の混在。
有効回答数
648件(比較期間 694件)
データ上の
注意点
① 金額はレンジ選択式回答の中点換算による推計値で、実額POSデータとの突合は行っていません。② NPSは推奨度0-10のうち9-10点を推奨者、0-6点を批判者として算出しています。③ 改善要望の内容分類(図5-3)はキーワードによる目視分類の目安件数です。④ 複数回答設問は合計が100%を超えます。⑤ 前月比較値は同一アンケートの2026年7月回答データをレポート作成時点で集計した値です。